1953年、イタリアのオッタヴィオ・ミッソーニとロジータ・ミッソーニ夫妻が、自宅地下でニットウェアワークショップを設立。
ミッソーニ(MISSONI)はイタリアのラグジュアリーブランド。
メンズ&ウィメンズのアパレル、アクセサリーなど幅広く展開している。セカンドラインは「エム ミッソーニ(M Missoni)」。
ニットウェアがブランドの象徴的なアイテム。ミッソー二の功績としてニットウェアの顧客層を上流階級にまで広げたことが上げられる。40年にわたる技術革新と、少量生産、幾何学的で色彩の面白いデザインが受けた結果である。何種類もの色糸を使用して織りなす生地、カラフルな色彩、独特の世界は高い評価を得ている。
創業者はオッタヴィオ・ミッソーニ(1921-2013)とロジータ・ミッソーニの2人。夫のオッタヴィオは、48年のロンドン・オリンピックに出場。このとき、ロジータの父がイタリア選手団のユニフォームをデザインした。
そのオリンピック開催の年に2人は知り合い、1953年に結婚。結婚後、ロジータの祖父が創業したニット工場を引き継ぎ、スポーツ・ウェアを生産。当初はミッソーニとしてのブランドでは売れず、エマニュエル・カーン、クリスチャーヌ・ベイリーのネームテープをつけて販売された。
1958年の「Milano-Simpathy」と呼ばれた小さなコレクションの際、「Missoni」という名前のラベルが縫い付けられた。66年にミラノでコレクションデビューを果たす。これまでのニットとは一線を画すデザインに注目を浴びた。
1969年には、雑誌の編集者のすすめでニューヨークの主要な百貨店とのミーティングを行い、新たな生産工場も操業を開始。翌年、発表したコレクションで、幾何学模様、色彩にこだわった楽しい色の組み合わせのニットが爆発的な人気を呼んだ。
1973年、ニーマン・マーカスファションアワードを受賞。83年には、スカラ座で上演されたオペラ「ランメルモールのルチア」で衣裳デザイナーとしてデビュー。
結婚から40年を迎えるとともに、オッタヴィオとロジータが一緒に働きはじめて40年を迎えた1993年、オッタヴィオはイタリア共和国大統領から優れた業績と成果に対して与えられる勲章を授与される。
1997年、ファッション部門をクリエイティブ・ディレクターとしてアンジェラ・ミッソーニに一任。ロジータはホームコレクションを担当。また、長男のヴィットーリオが経営、アンジェラの兄であるルカがメンズ部門のデザイナーでテキスタイルのディレクションを担当。レディース部門のデザイナーを担当するのが娘のアンジェラ・ミッソーニ。
アンジェラ・ミッソーニは1958年ミラノ生まれ。78年、18歳の時に母ロジータのアシスタントとしてミッソーニに入社。以後母とともにデザインを続ける。ファースト・ラインのデザインを手がけながら、ミッソーニのライセンス商品の管理もおこなう。93年に自身のブランド「アンジェラ・ミッソーニ」でコレクションを発表。「アンジェラ・ミッソーニ」は両親の会社で製造する。「ミッソーニ」を引き継ぐ97年A/Wまで「アンジェラ・ミッソーニ」のブランドを継続。両親から「ミッソー二」を引き継ぐまでにその準備はできていた。1997年から「ミッソーニ」のクリエイティブ・ディレクターに就任。
若い世代の顧客に受け入れられるようにシースルー、ラメやスパンコールなどの素材を積極的にニットへ組み合わた。またデザインも一目でミッソー二と分かるジグザク模様、ギリシャの卍模様、ストライプ、パッチワークを中心にし新しい局面をもたらしている。ミッソーニは現在でも「寄せ集め」(ミッソーニ風のミスマッチなパターン)といわれるが、現代風にシフトチェンジしている。
1998年、セカンドラインとして「エム ミッソーニ(M Missoni)」をスタート。当初はライセンス生産をしていたが、後にグループの管理下で展開されるようになった。
2013年、創業者のオッタヴィオ・ミッソーニが逝去。同年1月には、オッタヴィオの子息でありミッソーニ最高経営責任者であるヴィットリオが乗ったセスナ機が南米ベネズエラ沖で行方不明となった。
2018年、エム ミッソーニのクリエイティブディレクターにマルゲリータ・ミッソーニが就任。
2021年、アンジェラ・ミッソーニが24年間務めてきたクリエイティブ・ディレクターを退任。引き続き社長として経営に関与。暫定的な後任として、2022年春夏コレクションより、アルベルト・カリーリがクリエイティブ・ディレクターに就任。同年、フィリッポ・グラツィオーリ(Filippo Grazioli)がミッソーニのメンズ・ウィメンズコレクション及びライフスタイル向けのクリエイティブ・ディレクター就任。また、同時に、アルベルト・カリーリ(Alberto Caliri)がホームコレクションとミッソーニ スポーツの指揮を執ることになった。
フィリッポ・グラツィオーリ(Filippo Grazioli)は、1981年、イタリア出身。ミラノのヨーロッパ・デザイン学院を卒業した後、2004年よりメゾン マルジェラにて活動。2013年までマルタン・マルジェラと共にウィメンズコレクションの制作に関わった。2015年、エルメスでウィメンズウェアのシニアデザイナーとして勤務した後、リカルド・ティッシのもとでジバンシィコレクションディレクターに就任。その後、ティッシとともにバーバリーに移った。2020年、イタリアに戻る。2022年、ミッソーニのメンズ・ウィメンズコレクションのクリエイティブ・ディレクターに就任。