1959年、ヴァレンティノ・ガラヴァーニがデザイン活動を始める。1960年、ブランド「ヴァレンティノ」スタート。
ヴァレンティノ(VALENTINO)はイタリアを代表するラグジュアリーファッションブランド。オートクチュール、プレタポルテからバッグ、シューズ、スモールレザーグッズ、ベルト、アイウェア、スカーフなどのアクセサリー、フレグランスとトータルで展開。
深紅のヴァレンティノレッドやVのエンブレムがブランドのアイコンとなっている。バッグやシューズにはVロゴをフィーチャー革新的なクチュールクリエーション、それに基づいてデザインされるレッドカーペットドレス(ガウン)が有名。プレタポルテはデイウェアからイブニングウェアまで揃え、クチュールコレクションも発表している。上質な素材使いと、エレガントなパターンメイキングが特徴。
全世界で100ヵ国で展開。170以上の直営店と、1500を超える店舗で販売されている。
創業者であるヴァレンティノ・ガラヴァーニ(Valentino Garavani)は1932年、北イタリアのヴォゲラに生まれる。父親は地元の電力供給会社を取り仕切っていた。1949年ミラノにあるサンマルタ専門学校のファッションスケッチ課程に入学。翌1950年パリ・オートクチュール組合学校サンディカにて服作りの基礎を学ぶ。在学中IWS(国際羊毛事務局)主催のコンテストで優勝を果たす。
卒業後ジャン・デッセのクチュール、ギ ラロッシュのアシスタントとして約10年働く。1959年に独立。ローマのコンドッティー通りにオートクチュールの小さなアトリエを開く。1960年、伝説的なヴァレンティノ・ガラヴァーニとビジネスパートナー ジャンカルロ・ジアメッティが「ヴァレンティノ(VALENTINO)」を創業。
1962年に最初のコレクションを発表、フィレンツェのピッティ宮殿で開かれた「白だけの服」が注目を集め一躍国際的に知られることとなる。 67年に「ニーマン・マーカス賞」を受賞。68年のホワイトコレクションで初めて「V」をマークとして採用。
1984年、サラエボ・オリンピックおよびロサンゼルス・オリンピックでのイタリア選手団のユニフォームデザイナーに選ばれ、1985年、イタリア政府から「グランデ・ウフィッチャーレ」勲章。1986年にイタリア最高の勲章である騎士大十字勲章を授与される。1996年、イタリア共和国誕生50周年に際して、スカルファロ大統領よりカヴァリエーレ・ディ・ラヴォーロ(功労騎士)に叙される。2000年には、CFDA(アメリカ ファッションデザイナーズ協会)より生涯功労賞が贈られる。
1998年、Marzotto家にヴァレンティノの経営権を売却。Marzotto家は経営面を強化することでヴァレンティノブランドの業績向上に大きく貢献。
2001年春夏、ディフュージョンライン「ヴァレンティノローマ」を発表。ヴァレンティノのデザインの原点となっているローマをネーミングし、ヴァレンティノらしい優雅で洗練された世界に加え、若さあふれるコレクションとなっている。2003-04年秋冬シーズンより、カジュアルライン「レッド ヴァレンティノ(REDValentino)」の展開を開始。その後、ヴァレンティノグループはドイツのヒューゴ ボスなどを傘下に抱える、巨大ファッショングループに成長した。
2007年、投資ファンドのPermira社がヴァレンティノファッショングループを買収。2007年プロエンザスクーラーの株式を45%取得しグループのブランドに加えた。
2007年、ヴァレンティノ・ガラヴァーニがファッションのデザイナーを引退。後任のクリエイティブディレクターにアレッサンドラ・ファッキネッティが就任。ファッキネッティはクチュール、プレタポルテ、セカンドラインの「レッド ヴァレンティノ」などレディース関連すべてを担当するも1年で辞任。後任にはヴァレンティノで長期に渡りアクセサリー・デザイナーとして活躍したマリア・グラツィア・ キウリ(Maria Grazia Chiuri)とピエールパオロ・ピッチョーリ(Pier Paolo Piccioli)が就任した。
2008年秋冬よりメンズラインのデザイナーにフェッルッチョ・ポッツォーニが就任したが、2シーズンでデザイナーを辞任。その後、レディースウェアを手がけるキウリとピッチョーリがメンズも手がけることが決定。2012年、カタール王族がヴァレンティノを買収。
2014年、初となるメンズフレグランス「ヴァレンティノ ウオモ」を発表。
2016年、ヴァレンティノ東京初の旗艦店を表参道ヒルズにオープン。同年、マリア・グラツィア・キウリが退任。ピッチョーリが単独でクリエイティブ ディレクターを務めることになった。
2018年、ロレアルと提携し、2019年以降、化粧品及びフレグランスの展開をスタートすることを発表。
2021年11月、コスメライン「ヴァレンティノ ビューティー」が日本上陸。ブランド同様、ピエールパオロ・ピッチョーリがクリエイティブディレクターを務める。
2021年末をもって、ミラノを拠点にファー製品を取り扱うヴァレンティノ ポーラー社は生産を終了。ファーを使用するヴァレンティノのコレクションは2021-22年秋冬コレクションで最後となり、2022年以降は“ファーフリー”となる。
2022年12月、テキスタイルのリセールを行うフランスのティシュマーケット(Tissu Market)とコラボレーションし、アーカイブファブリックのストックをリユースするプロジェクト「ヴァレンティノ スリーピング ストック」をスタート。
2021年、ヴァレンティノ ビューティが日本に本格上陸。フレグランスを発売した後、2022年に表参道ヒルズにヴァレンティノ ビューティの店舗をオープンしメイクアップ製品の展開をスタート。
2023年春夏シーズンより、メンズの普遍的なワードローブを展開するコレクション「メゾン ヴァレンティノ エッセンシャル(MAISON VALENTINO ESSENTIALS)」スタート。
2023-24年秋冬コレクションをもって、セカンドライン「レッド ヴァレンティノ」を終了。
2024年3月、ピエールパオロ・ピッチョーリがヴァレンティノのクリエイティブ ディレクターを退任。
2024年4月、アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ ディレクターに就任。なおアレッサンドロ・ミケーレは2022年11月までグッチでクリエイティブ・ディレクターを務めていた。