1966年、北イタリアのヴィチェンツァにて「ボッテガ ヴェネタ」が創設される。
ボッテガ ヴェネタはイタリアのファッションブランド。
イタリア・ヴェネト地方の熟練した革職人の伝統、クラフトマンシップに深く根ざした最高品質のアイテム展開。バッグ、小物、アクセサリーなど高級皮製品を中心に、ウェアまでトータルで展開している。
ボッテガ(工房)の名の通り手作業による靴作りを行い、滑らかなめし革の革紐を用いた編みこみバッグ「intrecciato」や茶と黒の生地を合わせたマルコ・ポーロのシリーズ、ポインテッド・ ヒールが有名。丁寧に作られた革は「シルクのようだ」と評する人もいる。革紐で編まれたサンダルは、柔らかく、履くとその人の足型に合わせて伸び、軽やかにフィットする。
ボッテガ ヴェネタの歴史は1966年、北イタリアのヴィチェンツァ(Vicenza)の丘陵地帯ではじまる。ミケーレ・タッデイとレンツォ・ゼンジアーロにより創業。短冊切りのレザーを編みこんでいく技法「イントレチャート(intrecciato)」を開発し、ブランドの代表的なスタイルとなっていった。
2001年グッチが78.5%の株を取得しグッチグループ(現ケリング)に入り、クリエイティブ・ディレクターにエルメスやソニア リキエル・オムでのデザイン経験があるドイツ生まれのオーストリア人、トーマス マイヤーを迎える。
重厚なブランドにマイヤーのコンテンポラリーなスタイルを持ち込みスタート。ブランド固有のエレガンスと工房の技術に新たなスタイルを加えた。光沢のある新「イントレチャート」、ピラミッド型のショルダーバッグも人気を集めている。近年は革素材だけでなく、ナイロン素材の「ヴェネタシリーズ」、「ビーズバッグ」等も作っている。グループとしての強みや歴史を活かしつつ、デザイナーのトーマス マイヤーのディレクションでブランドは急成長。世界中で店舗数も拡大した。
日本国内においては、1974年アオイによって紹介され、展開されていたが、本社がグッチ・グループに入り、ボッテガ ヴェネタジャパンが設立され商品を展開している。
2002年、トーマス マイヤーが監修を務めた新コンセプトの旗艦店「ボッテガ ヴェネタ青山」がオープン。これはミラノ、パリ、ロンドンに続く店舗。(この店舗は後に表参道ヒルズ1Fに移転)
2007年、世界最大規模の旗艦店として銀座店がオープン。2011年、香水の展開をスタート。
2015年、ボッテガ・ヴェネタの広告作品集「アート・オブ・コラボレーション」発売。2002年から“アート・オブ・コラボレーション”というタイトルで、各シーズンの広告キャンペーンに著名なフォトグラファーやコンテンポラリーアーティストを起用してきており、そちらを集めたものとなる。
2018年、トーマス マイヤーがクリエイティブ・ディレクターを退任。セリーヌ、メゾン マルジェラ、バレンシアガなどで経験を積んだ、イギリス人ダニエル・リーが新クリエイティブ・ディレクターに就任。ダニエル・リーが初めて手掛けたコレクションとして、展示会・ルック形式で2019年プレフォールコレクションを発表。
2018年12月、アジア最大の旗艦店を東京・銀座にオープン。
2019年、クリエイティブ・ディレクターのダニエル・リーがブリティッシュ・ファッション・アワードで「Accessories Designer of the Year」「British Womenswear Designer of the Year」「Designer of the Year」「Brand of the Year」の4つの賞を受賞。
2021年、ダニエル・リーが退任。同年、マチュー・ブレイジーがクリエイティブ・ディレクターに就任。
マチュー・ブレイジーは、1984年、パリ生まれ。ブリュッセルのラ・カンブルを卒業後、ラフ・シモンズのメンズコレクションのデザイナーとしてキャリアをスタート。その後、メゾン マルジェラにて「アーティザナル」ラインのデザイン、そしてウィメンズのレディ・トゥ・ウェアのデザインを担当。2014年よりセリーヌにてシニア・デザイナーに就任。2016年から2019年までカルバン・クラインで再びラフ・シモンズの元で活躍。2020年にはボッテガ・ヴェネタのレディ・トゥ・ウェアのデザイン・ディレクターに就き、2021年にはクリエイティブ・ディレクターに就任。