ギーブスは1785年、ホークスは1771年に設立。1975年にギーブスとホークスが合併しギーブス&ホークスとなる。
ギーブス&ホークスはスーツの聖地ロンドンの「サヴィル・ロウ」を代表するテーラー。
ギーブスは1785年、1809年、当時、ベルベット・キャップ・メーカーだったトーマス・ホークス(Thomas Hawkes)がジョージ3世から御用達を受けて以来、200年以上にわたって、王室御用達を続けている老舗。
ホークスは1771年設立。トーマス・ホークスの顧客にはジョージ4世も含まれていた。ある日曜日にリージェント王子(後のジョージ4世)がトーマス・ホークスを呼びつけると、トーマスは「私は1週間のうち6日間は王に仕えますが、安息日は神に仕えます」と言って、それを断り、使者を送り返した。ジョージ4世はこの拒絶を良いように捉えて、その後も御用達を継続させた逸話も残っている。
ギーブスは、海軍のテーラーとして有名になり、1878年、ウィリアム・S・ギルバート(W S Gilbert)が作曲家、サー・アーサー・サリバン(Sir Arthur Sullivan)とオペラ「HMS Pinafore(軍艦ピナフォア-水兵に恋した娘)」を上演する際、海軍の服装についてギーブスにアドバイスを求めたとされる。18世紀後半にはナポレオンと戦った海軍の英雄ネルソン提督、19世紀には冒険家のデヴィッド・リヴィングストンやヘンリー・モートン・スタンリーらが顧客に名を連ねた。
第1次世界大戦に先立ち、ギーヴスは膨らますことができるのライフセービングコート(ベスト)を開発し特許を取得。これは数多くの命を救うことに貢献。このベストのオリジナルは現在、ハンプシャーのビューリュー(Beaulieu)博物館に展示されている。20世紀初頭には、日本海軍がギーブスに制服を発注。
その後、英国陸軍に制服を供給。
1975年、ギーブスとホークス合併。1912年からサヴィル・ロウ1番地に店舗をかまえていたホークスにギーブスが移る形で再スタートを切る。英国陸軍の服の仕立て屋だったホークスと海軍仕官の仕立て屋だったギーブスが合併したことにより、英国の海軍・空軍・陸軍のユニフォームにアクセサリーの製作に加え、パブリックスクールの制服の製作で、英国上流社会に溶け込み、英国人に最も愛されるブランドとなる。現在でも英国の海軍・空軍・陸軍のユニフォーム製作は継続しており、軍関係者はギーブス&ホークスで注文できる。
1981年、チャールズ皇太子の結婚式のコスチュームを担当。スーツの顧客には俳優のピーター・セラーズ、ロジャー・ムーア、コリン・ファースらがいる。
本社と旗艦店があるサヴィルロー1番地は、Fairfax家が1732年に設立。1871年、王立地理学協会に所有権が移り、1912年ホークスが取得。1926年には、コレクション・ライン(既製服、レディ・トゥ・ウェア)を開始。さらに、ビスポークとコレクション・ラインの中間にあたる「パーソナル・テーラリング・システム」も提案。現在でも、サヴィルロー1番地はビスポークのワークルームとして、デザイン、ホールセール、マーケティングとマネージメントチームの拠点として存続されている。
2005年4月からジョー ケイスリー ヘイフォードが参加。2006年秋冬コレクションから、クリエイティブ・ディレクターに就任。また同シーズン、マッキントッシュに別注してゴム引きのダブルブレストコートを発表。