コーチは1941年にニューヨーク、マンハッタンで創業。
コーチ(COACH)はアメリカのファッションブランド。社名の頭文字であるCのモノグラム柄のハンドバッグなどが有名。日本での人気商品はバッグ、財布、キーホルダー、時計など。近年はウェアも人気。
コーチのバッグは丈夫で長持ちすることで有名で、あまりにひどい使用でなければ、一般的に15年は使用できる。数十年前のデザインのものが未だに使用されているというケースはそれほど珍しくはない。
1941年、ニューヨークのマンハッタンで創業。創業当初は野球グローブの革を使用したバッグなどをアメリカ国内で生産する比較的小規模なファミリー企業で、メインターゲットは比較的高齢の男性であった。コーチの創業間もない時期には、アメリカのもっとも偉大なデザイナーの一人に数えられるBonnie Cashinがデザインしていた時期もあった。60年代に製造小売のコレクション展開をスタート。
Bonnie Cashinはドレスにマッチする機能的なアクセサリーをデザインし、これがヒット。その他、キーケース、サングラス、化粧品用のポーチなどを発表。こうしてコーチは高級ブランドとして成長した。
1985年、サラ・リー社が買収。1996年、リード クラッコフをクリエイティブ・ディレクターに迎える。
2000年10月にIPOを行いニューヨーク証券取引所に上場。買収後はバッグと財布などの皮革製品メーカーから、総合ファッション企業への発展と急速に路線変更を行った。
90年代になるとコーチは高齢層向けのブランドのイメージが定着していたが、ファッションの方向性を大きくしシフト、デザイン、広告等あらゆる面で若者向けにイメージを一新。ルイ・ヴィトンやエルメスほど価格が高くない割りにしっかりとした造りで、素材も良く、高品質のレザーグッズは多くの支持を集める。アウトレットを有効に活用し、アウトレットで比較的低価格で製品を販売、その後、製品の良さを実感したユーザーが、旗艦店で購入するフローを作った。このようなトータルの戦略が功を奏してブランドは急成長を達成した。
2001年、日本市場を中心に人気のあるキャンバス地のシグニチャー・ラインを発表し、その後のコーチの流れを決定づけた。2001年には住友商事と合弁で日本法人であるコーチ・ジャパンを設立。(2005年には、米コーチ社が住友商事からコーチ・ジャパンの株を買い戻し、現在ではコーチ・ジャパンはコーチ社の100%子会社となっている)
2003年、渋谷に旗艦店をオープン。このオープニングイベントは、渋谷に散らばったモデルが、通行人に「follow me:私について来て」と書いたカードを添えた「花」を渡し、そのモデルについていくと旗艦店のオープニングセレモニーにたどり着くと言うもの。その際、10面の大型ビジョン、街灯フラッグ、ラッピングバスに広告を出し渋谷をジャックし、大きな話題となった。
2009年、コーチの伝説的なデザイナー、Bonnie Cashinにインスパイアされたコレクション「ボニーコレクション」をスタート。
2013年、エグゼクティブ・クリエイティブ・デザイナーに元ロエベのスチュアート・ヴィヴァース(Stuart Vevers)を任命。2017年度CFDAファッションアワードにてヴィヴァースがアクセサリー・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞。
2015年、シューズブランド、スチュアート・ワイツマンを買収。2017年、コーチがケイト・スペード ニューヨークを買収。
2023年、コーチを展開するタペストリーが、ヴェルサーチェ、ジミー チュウ、マイケル・コースを抱えるカプリホールディングスを買収。
2023年9月、コーチの新サブブランド「コーチトピア(Coachtopi)」を日本でローンチ。2023年初めに北米でスタートし、プロダクトデザイン、ものづくり、再利用の土台となる3原則「メイド・サーキュラー(Made Circular)」のデザイン哲学に基づいた、循環型ファッションを提案するサブブランドだ。コーチのレザーに関する優れたノウハウを生かし、リサイクル素材を使ったアイテムやリサイクル可能な製品を提案。地球への影響を大幅に軽減したアイテムを展開する。