1975年、ジョルジオ・アルマーニがジョルジオ アルマーニ社を設立。
ジョルジオ アルマーニはイタリアのラグジュアリーブランド。アパレル、アクセサリーのほか、インテリア家具、化粧品、リゾートホテル、レストランと幅広く展開している。
創業者のジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)は、1934年イタリアのピアチェンツァに生まれ。ミラノ大学医学部に入学したが、兵役に入った後は医学の道に戻らずビジネスの世界へ。
57年から64年までミラノの百貨店「ラ・リナシャンテ」でウィンドウドレッサー・バイヤーを務める。消費者の求めるデザイン・素材に詳しく、また生産工程流通に詳しく豊富な知識のあったアルマーニは、スカウトされたことを機に、65年に、セルッティのメンズウェア「ヒットマン」のデザイナーに就任。ニノ・セルッティからデザインを学んだ。
1970年、ジョルジオ・アルマーニは独立しフリーのデザイナーとなる。紳士服デザイナーとして数社の仕事をこなす。75年、セルジオ・ガレオッティと共にジョルジオ・アルマーニ社を設立。このとき41歳。デザイナーとしては遅いスタート。ガレオッティがマネジメントを担当し、アルマーニはクリエイター&アーティストを担当。なお、ガレオッティは経営経験が全くなく、最初はアルマーニが補助を務めるような形になっていたが、ガレオッティは次第に経営者としての才能を発揮し、アルマーニはクリエーションに専念するようになる。
1976年春夏コレクションで、メンズをメインに、ウィメンズを数体混ぜてランウェイを初めて披露。その3か月後にウィメンズを正式発表した。
メンズには女性らしい柔らかさを、ウィメンズにはマニッシュな厳格さを加えることで、新しいエレガントなスタイルを提案。紳士服の機能性を応用し、女性らしい雰囲気、贅沢な素材と美しいシルエットに着心地の良さを追求し、絶妙なカッティング技術で評価された。
また、アルマーニのロゴは、男性たちのファッションバイブルにもなっていたウオモ・ヴォーグ誌の当時の編集長 フラヴィオ・ルッキーニとジョルジオ・アルマーニの出会いから生まれた。アルマーニの独立を後押ししていたルッキーニ。彼は、アルマーニとの話の中でウオモ・ヴォーグの紙面から文字を切り抜いて「GIORGIO ARMANI」と並べてみせた。このコラージュが、今のロゴマークの起点となっている。その後、ウオモ・ヴォーグ誌で組まれた特集記事によりアルマーニの名は広まった。こうして初期のアルマーニのコレクションはたちまち大評判となり、売り上げも伸びてった。
79年、エレウノのデザイナーに就任。
80年、映画『アメリカン・ジゴロ』でリチャード・ギアに衣装提供したことから、各国セレブリティに注目を浴びるようになる。さらにその後は、レッドカーペットでの衣装製作にも携わるようになった。
81年、ディフュージョンライン「エンポリオ アルマーニ」を発表。エンポリオとは、市場(なんでも売っているような大きな市場)の意味をもつことから、ジョルジオ アルマーニよりも自由なマインドに基づくブランドとして展開。
マーケティング手法において、「エンポリオ アルマーニ」では先駆的な方法をとった。ブランドの世界観を発信する専門雑誌『エンポリオ アルマーニ マガジン』を発信し、1997年まで18冊にわたって刊行。ジョルジオ・アルマーニと妹であるロザンナ・アルマーニが手掛けたこのマガジンは、今でも世界中のクリエイターたちのバイブルとして語り継がれている。また、ミラノ市内に大きな壁面広告を継続的に展開し、ミラノのシンボルとして認知された。
81年、「アルマーニ ジーンズ」も発表。
82年、デザイナーとしてはクリスチャン ディオール以来、「タイム」誌の表紙をジョルジオ・アルマーニが飾る。80年代後半にソフトスーツを考案して大ブームを起こし、紳士服のパターンを活かした婦人服で、いわゆる「キャリアウーマン」をリード。
1991年、A|X アルマーニ エクスチェンジ(A|X ARMANI EXCHANGE)をスタート。ブランドのエッセンスを受け継ぎ、ストリートカルチャー、ダンスミュージックなどからインスパイアされたスタイルを提案。メンズ、ウィメンズ、アクセサリーなどを提供する。同ラインは現在、アルマーニ グループ最大数の265店舗(2013年1月現在)を誇る。
95年にはスキーウェアとゴルフウェアを発表し、ライセンスを拡大している。
アルマーニは「ジャケットの帝王」あるいは「モードの帝王」等と呼ばれて、モード界の最先端に位置。完璧主義者として有名で、「マエストロ・ディ・マエストロ」(巨匠中の巨匠)と呼ばれ、独自の荘厳なスタンスを展開する。映画衣装も多数手がけ、数々の映画に衣装提供し、アカデミー賞ではジュリアロバーツ、ミラ・ソルヴィーノ、リチャード・ギア等、多くの俳優がアルマーニの服を着る。ブランドとのコラボレーションでは、アレグリなどと過去にコラボレーションを展開したことがある。
2000年、ホームコレクションのアルマーニ / カーザ(ARMANI /CASA)、2002年にはスイーツを展開するアルマーニ / ドルチ(ARMANI / DOLCI)の展開をスタート。
2004年、アルマーニ ホテル&リゾートの事業をスタート。
2005年春夏シーズンより、「ARMANI PRIVE (ジョルジオ アルマーニ プリヴェ)」ラインでパリ オートクチュール・コレクションに参加。この時、アルマーニはすでに70歳。
2007年からはアルマーニ レジデンス(ARMANI RESIDENCE)を展開。さらに2010年、アルマーニ社としては世界初のホテル「アルマーニ・ホテル・ドバイ」をオープン。2011年にはミラノにホテル2号店をオープン。
2013年より新世代デザイナー支援プログラムをスタート。後に、アンドレア ポンピリオやウジョーなどが支援を受けショーを開催した。2015年、アルマーニ初の自叙伝『GIORGIO ARMANI』出版。
2017年、「アルマーニ コレツィオーニ(ARMANI COLLEZIONI)」と「アルマーニ ジーンズ(ARMANI JEANS)」を休止。エンポリオ アルマーニに統合することが決定した。同年、スーツなどのオーダーライン「メイド トゥ メジャー」のアンバサダーに西島秀俊が就任。
■展開ライン
アルマーニ プリベ(ARMANI PRIVE) オート・クチュール
ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI) ファーストライン
エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI) ディフュージョンライン
A|X アルマーニ エクスチェンジ(A|X ARMANI EXCHANGE) カジュアルライン
アルマーニ / カーザ(ARMANI /CASA) ホームコレクション
アルマーニ / ドルチ(ARMANI / DOLCI) スイーツ