創立者は、化学者・薬剤師であったルドルフ・ハウシュカ博士。1935年に医薬品メーカーWALA(ヴァラ)社を設立。人智学に基づき、「リズム製法」という独自の製法で、ハーブ薬品を製造していた。のちに、この技術と経験を活かして化粧品ブランドを立ち上げた。
オーガニック先進国であるドイツ生まれのコスメブランド。世界35ヵ国以上に愛用者がおり、グローバルにビジネスを展開。1960年代から現在に至るまで、独自のスキンケアコンセプトと製法、原料にこだわり、高品質な製品を開発し続けている。
1960年代初期、ハウシュカ博士は、独自の技術と経験を活かした化粧品を作るため、美容家エリザベート・ジークムントをヴァラ社に招いた。そして、彼女のアイディアとスキンケアについての斬新なアプローチを取り入れた化粧品の開発をスタート。ヴァラ社の薬剤師、化学者、人智学にもとづいた考えを持つ医師など、バラエティに富んだメンバーがその開発を支えた。そして、試行錯誤の末、1967年に「エリザベート・ジークムント化粧品」を発売。これが後に「Dr.ハウシュカ」として知られることになる化粧品の誕生であった。
1950年、ハウシュカ博士はヴァラ社の裏山にある草原を植物園として開拓。そこでは今でもバイオダイナミック農法によるオーガニック植物の栽培が続けられている。栽培されるハーブは150種類以上、耕地は4.5ヘクタールにも及ぶ。池や小川、草原など、木々に囲まれたこの薬草園にはたくさんの生物が共生し、生命力豊かな植物を育んでいる。
Dr.ハウシュカの化粧品原料の基礎となっている「バイオダイナミック農法」は、1924年に人智学者ルドルフ・シュタイナー博士によって確立された、世界で最も厳格なオーガニック栽培法とされる有機農法。植物の栽培地を一つの小宇宙とみなし、種まきや収穫などの作業すべてを人の手によって、天体(星・月・太陽)の動きと調和して行い、その生命の力を最大限に生かす農法である。農園では、ほとんどの種や堆肥、培養土をその中で育み、様々な種類の特別な「調合剤」を使い、植物だけでなく、大地の生命力も高めている。人間や環境をホリスティック(全体的・総体的)にとらえ、その調和を重んずる点など、シュタイナーの思想はDr.ハウシュカのスキンケアの中に深く息づいている。
「リズム製法」は、ハウシュカ博士が開発したハーブエキスの抽出方法。1924年にハウシュカ博士とシュタイナー博士が「命とは何か?」という議論を交わした際にシュタイナー博士が「命にはリズムがある。リズムを研究しなさい」とアドバイスした。それをヒントにハウシュカ博士は、1929年に自然のリズムを取り入れたこの製法を開発した。このハーブエキスは、美容効果だけでなく、化粧品の保存性も高めるので、合成保存料なしの長期保存も可能にしている。
Dr.ハウシュカのすべての製品は、自然化粧品認証BDIH、またはNATRUEの認定を受けている。これらのマークが付いている製品は、厳格なガイドラインに基づいて作られ、とても高い品質の自然化粧品であるということが証明されている。
■Dr.ハウシュカのスキンケア
人間の皮膚からは水分や油分が適度に分泌され、それが天然のクリームとなって表面を覆い、外界の刺激から全身を守っている。その肌本来の働きを妨げずにサポートするのがDr.ハウシュカのスキンケア。例えば、夜のスキンケアでは、クリーム等の油分を含んだ化粧品を肌に与えないことがポイント。再生機能が高まる夜の時間に、あえて油分を与えず自らの皮脂分泌でお肌を整えることを目的としている。