ヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)が、2014-15年秋冬コレクションを2014年3月1日(日)にパリファッションウィークで発表した。今季のヴィクター&ロルフのランウェイは、アスファルトの道路に変身し、所々には街灯が設置されている。アメリカのシンガーソングライター、ポリス・ウーマン(Police Women)のジョアンが現れ、ギターを演奏しながら哀愁ただよう歌声を披露し、コレクションは幕を開けた。
キーワードは「シュールレアリスム」。セット同様、アスファルトのようなグレーのカラーを軸に、トロンプイユ(だまし絵)や芸術的なアシンメトリーのデザインを織り交ぜ、コレクションは展開される。
前半は、ボイルドウールを用いたミニマルなVネックのニットドレスが登場。片側だけ尖らせたショルダー部分、中央もしくはサイドを長くしたヘムラインが特徴的なドレスは、装飾のないデザインだからこそ絶妙なバランスのシルエットが引き立っている。その後に見せたオールインワインは、ジョーゼットを組み合わせてウェスト部分やシームを描いているほか、アンサンブルを着ているかのようなトップスも披露され、目を凝らさずにはいられない。
もっとも注目すべきは、“ケーブルニットのディティール”だ。黒のミニスカートに合わせたコートは、トロンプイユでケーブルを表現した生地をベースに本物にケーブルニットを組み合わせ、シニカルなユーモアを感じさせる。同様のモチーフはその後もアウターをはじめ、トップスやパンツなどで展開されるが、どれも本物さながらで観る者を惑わす。
途中から、目の覚めるようなネオンがかったブルーやオレンジに切り替わる。プルオーバー、シャツ、ドレスには、ピクセル化されたデジタルな模様が、フラワーモチーフのような刺繍とともに取り入れられ、鮮やかな色彩を強調した。
また今季のショーでは「アトリエ スワロフスキー by ヴィクター&ロルフ 2014年秋冬コレクション」が発表されている。ヴィクター・ホルスティンと ロルフ・スノエレンが「輝くクリスタルとベルベットで覆われたクリスタルを並置することで、光沢を強調し、シュールレアルなグラマーを加えたのです」と話す通り、さり気なくモデルが身に着けたチョーカー、リング、ブレスレットは、素材のコントラストがモダンな美しさを放っていた。