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横浜流星×黒木華インタビュー、“俳優としての苦悩を役に込めた”映画『ヴィレッジ』で共演

横浜流星と黒木華が出演する映画『ヴィレッジ』が、2023年4月21日(金)に公開される。

横浜流星&黒木華にインタビュー

黒木華, 横浜流星 インタビュー|写真1

映画『ヴィレッジ』は、『ヤクザと家族 The Family』『空白』といった話題作を世に送り出すスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画、『余命10年』で話題の藤井道人が監督・オリジナル脚本を務める作品。自然美しくも閉ざされた「村」を舞台に、現代社会の闇を投影したサスペンス・エンタテインメントだ。

物語の中心人物となるのは、過去のある事件により村でいじめにあい、同調圧力や貧困の中で人間としての感情を失いながらごみ処理場で働く青年・片山優と、一度は上京したものの再び村に戻り、優に手を差し伸べる幼馴染・中井美咲。ファッションプレスでは映画の公開に先駆け、優を演じた横浜流星と、美咲を演じた黒木華にインタビューを実施した。

映画『ヴィレッジ』横浜流星&黒木華にインタビュー

  1. 俳優としての苦悩を役柄に込めて
  2. “妥協を許さない”藤井監督との再タッグ
  3. 初共演の2人が演じる“鏡”のような関係
  4. 作品情報

俳優としての苦悩を役柄に込めて

黒木華, 横浜流星 インタビュー|写真5

映画『ヴィレッジ』藤井道人監督のオリジナル脚本となりますが、初めて読んだ時の感想はいかがでしたか?

横浜:すごく愛の詰まった脚本だなと感じました。実は今回の脚本は、監督が僕を当て書きしてくださったものなんです。自分が役者をやっていく中での迷いだったり、恐れみたいなものを脚本段階から監督には伝えていたのですが、それが主人公である優の生き様に反映されていたので。

黒木:私は、重い話だな…と思ったのが正直な感想です。だけど人生の中で、優や美咲が過ごしたような生きづらい時間だったり、同調しなければいけない瞬間というのは誰しもが経験するはず。そういった “負”の部分にあえて光を当てているのが面白いなと思いました。

横浜さんも黒木さんも、役柄とご自身が重なる部分があったのですね。

横浜:はい。優は、ある1つの出来事をきっかけにダークサイドへと墜ちていくキャラクターなのですが、「1つの失敗で人生が転落していく恐ろしさ」というのは俳優として仕事をする上で僕が日々感じていることでもあるんです。もちろん、芸能界だけではなくて、組織に属している人たちみんなが共感できるところでもあると思うんですけど。

黒木:私は学校や組織の中になじめないタイプの人間だったので、美咲と重なる部分が多かったです。どこにも落ち着ける場所がなくて、能面のように本当の気持ちを隠して生活していくという美咲の生きづらさには、とても共感できましたね。

黒木華, 横浜流星 インタビュー|写真11

原作がない中でキャラクター像をつかむのは大変だったのではないでしょうか?

横浜:原作がない方が縛られずにできるので、難しさは意外にもなくて。監督との対話や、俳優の皆さんのお芝居の中で、役を一緒に作っていく楽しさの方が大きかったです。

黒木:私も同感です。あとは、撮影前に監督からキャラクターシートをいただいていたので、そこに細かく人物の設定が記載されていたのが大きかったです。美咲に関して言うと、上京した時に就いた職業や、なぜ仕事を辞めたか、何の薬を服用しているかなど。そこから、笑顔でのらりくらりと色んなことを隠して生きている、繊細で人間的な女性、というキャラクターをイメージしていきました。

“妥協を許さない”藤井監督との再タッグ

黒木華, 横浜流星 インタビュー|写真2

横浜さんと藤井監督は今作で6度目のタッグとなります。お2人は親しい友人関係でもあるそうですが、監督との印象的なエピソードはありますか?

横浜:実は僕、藤井監督が『ヴィレッジ』の脚本を何度も書き直している段階からずっと近くで見させてもらっていたんです。その中には、優が原始人という設定のものや、“全部夢だった”という設定のものなど、面白い案が沢山あって。(笑) 監督がストーリーを悩み抜いている様子を、近くで見ることができたのが思い出深いです。

黒木:気になる!原始人バージョン、読んでみたかった。(笑)

横浜:美咲が爆発を仕掛けて…みたいなパターンもあったんです。気になるでしょう?(笑)

(笑)。 撮影中の藤井監督は、実際どんな方なのでしょう?

横浜:藤井監督はとにかく妥協のない人。それは昔からずっと変わらないイメージです。1発OKがないんですよ。15~20テイク撮ったシーンもありますし。

黒木:確かに、監督はふわっとした雰囲気だけれど、絶対に妥協を許さない方だよね。「いいねいいね!」って言いつつ、「でももう1回!」みたいな。(笑) その中で、みんなが持つ世界観が研ぎ澄まされて揃っていく感じが心地よかった。

監督がストイックだからか、現場にいる全員がすごい集中力で撮影に取り組んでいて。役にも入り込みやすかったです。

黒木華, 横浜流星 インタビュー|写真7

監督からの演技に対する具体的な要望はありましたか?

黒木:美咲というキャラクターについては、「救いを与えるだけのただの女神にはなってほしくない」ということを仰っていました。あと、「僕の目線だけだと、女性的な感覚が足りないかもしれないから、少しでも役のイメージに違和感があったら教えてください」ということも。

実際に監督に意見を言う場面はあったのですか?

黒木:いいえ、今回も言うことはなかったです。でも、それは自分の役に違和感がなかったし、演じる中で違和感を感じるところもなかったので言う必要がなかったという感じです。本当に細かい調整だけでしたね。

初共演の2人が演じる“鏡”のような関係

黒木華, 横浜流星 インタビュー|写真6

横浜さんと黒木さんは本作が初共演となります。共演シーンで、特に印象的な場面はありますか?

横浜:美咲が優に「1人で頑張ってきたんでしょ」と語りかけて抱きしめてあげるシーンです。優は村でずっといじめにあってきて、ある種人間として生きていなかったのですが、美咲の優しさに触れて初めて感情を放出できるようになる。あのシーンは、優にとってすごく心が救われた場面なんです。

感動的でエモーショナルなシーンでしたが、物語の割と序盤でしたよね。

横浜:かなり序盤でした。実は、撮影的にも早い段階で撮ったシーンだったので、ちゃんと感情が追いつくのかな、という心配もあったんです。だけど、実際に演じてみたら涙が自然に流れて、そんな心配は吹き飛んだ。あのシーンを早い段階で撮れたことによって、より優として生きることができたし、その後の美咲とのシーンも濃く、もっと深いところまで距離が近づけた気がします。

黒木:本当、その通りですね。私は、母性のような気持ちも感じながら、「安心して、大丈夫だよ」と心から思って演じていました。優が持っている悔しさや切なさ、寂しさというのは、美咲の中にもあったものだと思うんですよね。「大丈夫だよ」という言葉って、もちろん優にかけたものだけれど、自分にも返ってくる言葉のような気がしていて。だから、自分も含めてまるっと抱きしめてあげるような気持ちでした。

横浜:本当に黒木さんが全部受け止めて、包み込んでくださるんです。あの瞬間、心がほぐれていくのが分かりました。

黒木:私もたまに、「大丈夫だよ」って言ってあげるんですよ、自分に。一定のリズムで(手で胸をトントンとしながら)自分に言ってあげると落ち着くんです。生きていたら、辛いこといっぱいありますもんね。

黒木華, 横浜流星 インタビュー|写真3

共依存的であり、鏡のような関係の優と美咲。2人の距離感は、どのように作りあげていきましたか?

黒木:距離感についての話合いはあまりしていないような…。というのも、撮影の最初の方は横浜さんが本当に優のような状態になられていて。話しかけちゃいけないんじゃないかっていう雰囲気があったので、後半になるにつれ少しお話しましたね。

そんな中、抱きしめるシーンを初めの方に撮影できたのは、物理的に近くなれたので大きかったかもしれないです。

閉ざされた村社会で生きる若者に光を当てた映画『ヴィレッジ』。最後に、どのような作品に仕上がっているか教えてください。

横浜:「能」のような作品になっているかと思います。劇中で、美咲が優に「能の受け取り方は人それぞれ」という言葉を伝えるのですが、まさにその言葉がこの作品を代弁していて、観て下さる人に受け取り方を委ねる作品かな、と。人によって感じ方が大きく変わると思うので、受け取ったものを大事にしてほしいですね。観て下さった方の感想も楽しみです。

【スタッフクレジット】
■横浜流星
HM:永瀬多壱 (VANITES)
ST:伊藤省吾 (sitor)

■黒木華
HM:新井克英
ST:高橋茉優

作品情報

映画『ヴィレッジ』
公開日:2023年4月21日(金)全国公開
監督・脚本:藤井道人
出演:横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗、中村獅童、古田新太
音楽:岩代太郎
制作プロダクション:スターサンズ
配給:KADOKAWA/スターサンズ

<あらすじ>
夜霧が幻想的な、とある日本の集落・霞門村(かもんむら)。美しい自然の中で神秘的な「薪能(たきぎのう)」の儀式が行われるような村である一方、近くの山には、巨大なゴミの最終処分場がそびえ立つ。幼い頃よりこの村に住んでいる片山優は、美しい村にとって異彩を放つ、このゴミ処理施設で希望のない日々を送っていた。そんなある日、幼馴染の美咲が東京から戻ったことをきっかけに物語は大きく動き出す。

©2023「ヴィレッジ」製作委員会

Photos(14枚)

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