2010年6月に行われたアントワープ王立芸術アカデミーのアニュアル・ショー。(ショーの様子は「アントワープ王立芸術アカデミー、2010年度ファッション学部アニュアル・ショーを開催」にて確認)
日本で活躍する坂部三樹郎(ミキオ サカベ)、福薗英貴(ウェアラバウツ)、堀内太郎(タロウ ホリウチ)などを排出した名門校から、今後、活躍が期待される日本人デザイナーの本郷いづみ(IZUMI HONGO)氏、時田智弘(TOMOHIRO TOKITA)氏、中島輝道(TERUMASA NAKAJIMA)氏のコレクションをご紹介。(以下敬称略)
ファッション学部を卒業し、今回が卒業コレクションとなった本郷いづみ(IZUMI HONGO)のコレクションテーマは「Private Painting」。マティスなど過去の画家達が描いた妻の肖像画をイメージソースに、「クレイジーだけれどよい妻」という女性像を表現した。デザイナーの本郷は「夫である画家のクレイジーな世界に向き合いつつ、妻として良識的に現実の世界にも向き合っているという、そんなふたつの世界の中間に立つ存在としての画家の妻という女性像を表現したかった」と語る。
シルエットは20年代風スタイルをベースにし、側面から見たスタイルを逆S字型に構築することで、エレガントでありながら奇妙なフォルムを創り出している。ペールグリーンやシャンパン・ゴールドのカラーパレットも女性らしくエレガントで、同時に凛とした強さを感じさせる。
また、このコレクションのためにデザインされたシューズはSacha Shoe Awardを受賞し、600足限定ですでにオランダとベルギーのSacha各店で販売されている。サイズによっては品切れになるほどの人気となっているが、残念ながら日本では発売予定はない。
左) 「IZUMI HONGO」のシューズ
右) 本郷いづみ氏
本郷は卒業と同時に自身のブランド、「VAN HONGO」を設立。今秋のパリコレクションから展示会形式でパリと東京でコレクションを発表予定。