見た目は“普通のメガネ”だが、既存の眼鏡とは全く違う機能を持っている。これは日本の眼鏡メーカー、JINSが開発した「疲れ」・「眠気」を可視化するメガネ「JINS MEME(ジンズ・ ミーム)」。
JINSは、これまでアイウエアの中心的役割であった「外を見る」という機能からのパラダイムシフトに挑戦。約4年の歳月を費やし、人間の五感の約9割を占める「眼(視覚)」が持つ膨大な情報量に着目し、「自分を見る」をコンセプトにした次世代戦略商品の商品化を進め、2015年春より日本市場で発売されることが発表された。
JINSが、現代人の安全で快適、健康的な日々の生活を支えるために不可欠と考えた、「疲れ」や「眠気」などの重要情報の可視化・管理を可能にする「JINS MEME」。この新しい機能を持つアイウェアの投入により、機能性アイウエアを超える「センシング・アイウエア市場」の創造に挑戦するという。
「JINS MEME」では、産学共同での技術開発によりアイウエアにも応用可能な「三点式眼電位センサー」(特許出願中)の開発に世界で初めて成功。アイウエアの特性を活かし、鼻パッドと眉間部分から検出される眼電位により、八方向の視線移動とまばたきのリアルタイム測定が可能に。また、眼球運動にともなう眼の周りの疲れや電位差を計測することで、疲れ具合を数値化する。
眠気が増すと特有な動きを示すことを利用し、ドライバーの眠気の兆候を事前に察知し、アラートする機能の構築も目指しており、ドライブシーンでの活用も期待できそうだ。
疲労指数「me(Mental Energy)」により、ドライブ中の疲れや眠気を眼の動き六軸(加速度・角速度)センサーにより疲れをマネジメント。アプリと連動し、疲れを管理することができる。
「JINS MEME」のデザインは、Audi A6をはじめとした数々の有名プロダクトデザインを手がけた SW designの和田智に監修を依頼。従来のアイウエアとは全く異なるアプローチを通じ、日常的に使用することのできる「普通のメガネ」としてのたたずまいを保ちながら、テクノロジーと機能性を融合させたデザインを目指した。
疲れや眠気をマネージメントすることが私たちの日常生活をどのように変えるのか。自分と向き合う新しいメガネの形を、使い手自身で考える面白さも見えてきそうだ。