ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)が2014年6月28日、2015年春夏メンズコレクションをフランス・パリで発表した。テーマは「FRAGMENT(フラグメント)」。三原自身の記憶の中にある断片的なイメージを洋服に込め、異なるテキスタイルを組み合わせたり、ひとつのアイテムの中にいくつもの要素を盛り込んだハイブリッドな表現方法でコレクションを構成している。
モチーフで目立つのは、オリジナルで作成したペイズリー柄。スタジャンによく使われるパイル刺繍の大きなペイズリーを胸元に対称に配したTシャツ、胸元に隠すように配置したミリタリージャケット、生地を横に裂いたようなダメージ加工の中からペイズリー柄が覗くセットアップスーツなど、様々なアイテムに落とし込んでいる。ランダムなヒョウ柄、部分的に使ったバンダナ柄も、今回のコレクションを象徴するモチーフだ。
三原が得意とする「解体→再構築」の手法は、じっくり眺めると空間が歪んでいるように見えるGジャンや、無造作に生地を切って貼付けたようなミリタリージャケットで表現している。スカジャンとロングパーカーを重ね着しているように見える1枚のアウターは、究極のハイブリッドと言える完成度を誇る。
靴は、ペイズリー柄のスニーカー、ゴールドとスウェードを縦に割ったチャッカブーツ、レオパード柄のスニーカー、三角の飾りがユニークなストレートチップなどを提案。色はネイビー、グレー、ブラックをベースとしている。
今回のコレクションは、長年にわたりスタイリングを手掛けてきたブライアン・マクホマンに捧げるものであった。フラグメントというテーマには、「ブライアンが残した断片的な記憶を繋げた追悼の意味も込めている」と三原はプレスリリースでコメントしている。
Text by Kaijiro Masuda (FASHION JOURNALIST)