2014年9月25日(木)、アーティスティック ディレクターのギョーム・アンリ(Guillaume Henry)によるカルヴェン(CARVEN) 2015年春夏コレクションが、パリのグラン・パレにて発表された。
コレクションを構成する要素は、F-1レーサーのようなスポーツウェアのタッチ、60年代のシルエット、そしてフレッシュさの3つ。アンリは、その年代のアイコンを再構築し、日本文化の要素を加えたり、シャープなカッティングを施したりと、レーシングスポーツを想起させるようなワードローブを披露。また、F-1レーサーのような力強さを持ちながら、歌手であり女優でもあるフランソワーズ・アルディ(Françoise Hardy)を象徴するようなフランス人らしさも失うことのない女性像を表現した。
今季異彩を放っていたのは、日本の古いポストカードのイラストや浮世絵のような鮮やかな絵画などのモチーフだ。時には迷彩柄のようにも見える日本独特の絵は、ワンピースや鞄など至る所に描かれた。中でも、カタカナで書かれた「カルヴェン」の文字は、一度見たら忘れられない程、日本人にとっては衝撃的だったに違いない。
そんなアイコニックな柄を採用した洋服も、カルヴェンらしくスポーティに昇華してみせた。ワンピースやAラインのコートなどには、ジップやレース場のグラフィカルな直線が施され、明瞭な快活さをプラス。
またテキスタイルは、柔らかさと強さの両方を兼ね備えたシルクや光沢のあるレザーを使用。ジャカードやハニカム(蜂の巣)ステッチを施したコットンやパイソンを使用し、テクスチャーには細心の注意が払われた。フレッシュな魅力が詰め込まれた今シーズンのカルヴェンは、ジャパニーズテイストを華麗にミックスし、その歴史にまた新たな息吹を吹き込んだ。