パリで発表されたクロエ(Chloé)の2015年春夏コレクション。ショーが開催された前日、2014年9月27日に、1952年にメゾンを創設したギャビー・アギョンが、数々の伝説と共に、93歳でこの世を去った。パリのファッションに偉大なる 貢献を果たした彼女に、来場者を含め、多くの人々が深く敬意を表した。
今季は、軽やかな素材とヘルシーな肌見せでフォークロアをモダンに昇華した装いを披露。ダスティーブルー、テラコッタ(煉瓦色)、ターコイズ、アイボリーなど、日に焼けたようなパレットが装いを彩る。
繊細なキャミソールストラップで吊るした、ミニドレスやロングドレスなど優しげなフェミニニティを醸し出すピースが豊富に展開。特に職人技を駆使した華やかなレースは、ドレスの胸元や裾、シャツ地やなどにあしらわれ、ワードローブに豊かな表情をもたらす。またドラマティックにギャザーが広がるブラウスや、シャーリングでしぼったロングドレスは、空気とともにボリュームをまとう軽やかな仕上がりに。
一方、メンズライクなアイテムも目立ち、ランウェイに快活なムードを漂わせる。デニムシャツに合わせたパンツ、ポンチョのようなフーディ、コンパクトに着こなすボーイッシュシャツなどリラクシングなウェアが中心だ。
エフォートレスなスタイルにアクセントを与えたのは、レースアップのシューズ。ヌーディなピンクのサンダルは、ロング丈とショート丈で展開され、細やかなレースアップで抜け感のある足元を作り出した。