アートスペース「AM」が、表参道にオープンする。そのオープニング企画として、2014年10月16日(木)から12月15日(月)までの期間中、世界で活躍をつづける写真家・荒木経惟(Nobuyoshi Araki)のインスタントフィルムによる写真展「結界」が開催される。
「結界」とは仏教用語で、「俗界をわかち、その内側に聖域を結ぶこと」とある。この展覧会は、インスタントフィルム作品を鋭いカッターの刃で2つに切り裂き、ふたたび1枚にはりあわせた作品で構成される。無造作に段ボール箱いっぱいに詰め込まれていた総点数は、ゆうに500点にのぼる。
清と濁、幸と不幸、楽園と地獄。相反するものが、程度の差はあれ、誰にでも必ずつきまとうのが人生である。華やかな成功と世界的な評価の一方で直面する、身近な人の死、癌手術、右眼失明。大きなうねりに身をおきながら、荒木は身のまわりにわき起こる出来事のすべてを正視し、レンズを通して受けとめてきた。
それゆえに、我々は心にせまる切なさと、胸を打つ愛おしさを、同時に彼の写真に感じとることになるのだろう。酸いも甘いも経験した彼が、人や情景、あらゆる被写体に向けられたふところ深い慈しみが、堰を切るように激しくあふれだしてくる。
なおアートスペース「AM」は、写真展を核に、時代の風を嗅ぎ分け地道に活動をつづける、さまざまなジャンルの表現者たちとのコラボレーション・プロジェクトを、多様なかたちで紹介していく。
【開催概要】
荒木経惟インスタントフィルム写真展『結界』
会期:2014年10月16日(木)~ 12月15日(月) ※最終日を除く月・火休み。
時間:14:00〜20:00
会場:AM
住所:東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ301/302号室
※荒木経惟品集『結界』を、展覧会会場にて先行発売。インスタントフィルム原寸サイズ特製ボックス入り。限定300部。
【問い合わせ先】
AM
TEL:03-5413-7175