河鍋暁斎《惺々狂斎画帖(三)》(20図のうち) 明治3(1870)年以前/個人蔵 ※後期のみ展示
2015年6月27日(土)から9月6日(日)までの期間、展覧会「画鬼・暁斎-KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」が、東京・丸の内の三菱一号館美術館にて開催される。
河鍋暁斎(かわなべ きょうさい、1831〜1889年)は、幕末に生まれ、6歳で浮世絵師歌川国芳に入門、9歳で狩野派に転じてその正統的な修業を終え、幕末明治に絶大な人気を博した絵師のひとり。一方、三菱一号館を設計した英国人建築家ジョサイア・コンドル(Josiah Conder、1852〜1920年)は、日本美術愛好家であり、暁斎に弟子入りして絵を学び、師の作品を海外に紹介。本展では、2人の交流やコンドルの業績と、彼の敬愛する暁斎のユーモラスで型破りな画業を、展示替えを行いながら、国内外の名品約120点を通して紹介する。
河鍋暁斎《河竹黙阿弥『漂流奇譚西洋劇』パリス劇場表掛の場》明治12(1879)年/GAS MUSEUM がず資料館
みどころのひとつは、暁斎とコンドルの師弟愛。2人の交流はとても親密なもので、暁斎の《日光地 取絵巻》をみると、様々な名所旧跡を回り、何度か写生旅行にも出かけるほどだったという。屏風絵《大和美人図屏風》は、弟子のコンドルが自国に持ち帰ることを想定し、暁斎が「およそ6ヶ月もの間精力を集中して描き上げたもの」(コンドル著「河鍋暁斎」)。背景の屏風には、日本の稲作の様子が丁寧に描かれ、漆器や畳など日本独特の文化が余すところなく描き込まれている。
また、狩野派を引き継ぎながら、浮世絵や江戸期の諸派にも取り込み、「画鬼」と称された暁斎の画業を展示。2歳ですでに蛙を写生するなど、絵に早熟な才能を示した周三郎(暁斎の幼名)は、6歳で浮世絵師の歌川国芳に弟子入り。その後2年ほどで国芳の許を離れるが、西洋画に至るまで貪欲にとりこんで旺盛に制作する態度、写生の重視、絵師としての反骨の姿勢などが垣間見れる。
左) 河鍋暁斎《大和美人図屏風》明治17-18(1884-85)年 京都国立博物館寄託 ※前期のみ展示
右) 河鍋暁斎《鳥獣戯画 猫又と狸》画稿 不詳/河鍋暁斎記念美術館蔵
さらに、現在はニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵されている、英国人が愛した暁斎の作品がおよそ100年ぶりに里帰り。58歳で亡くなる2年程前に描かれたものと推定されている作品が展示され、晩年を迎えた暁斎の卓越した筆さばきと大胆な構図をみることができる。
【開催概要】
画鬼・暁斎-KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル
会期:2015年6月27日(土)〜9月6日(日) ※一部展示替えあり。前期は6月27日〜8月2日、後期は8月4日〜9月6日。
開館時間:10:00〜18:00
※祝日・振替休日除く金曜は、20:00まで。
※会期最終週平日は、20:00まで。(暁斎展では8月31日~9月4日が20時まで営業)
※入館は閉館の30分前まで。
休館日:月曜休館(但し、祝日の場合は開館/8月31日は18時まで開館)
会 場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
入 館 料:当日券 一般 1,500円、 高校・大学生 1,000円、小・中学生 500円
前売券 一般 1,300円 ※大学生以下の設定はない。
※前売券以下の期間、以下の場所にて発売する。
・2015年2月7日(土)〜6月26日(金)
ローソンチケット(34200)、チケットぴあ(766-491)、セブンチケット(034-467)、イープラス、ちけっとぽーと 関東各店、三菱一号館美術館チケット購入サイトWEBKET(展覧会ウェブサイトからアクセス)
・2015年2月7日(土)〜5月24日(日)
Store1894(三菱一号館美術館内・休業日は美術館に準ずる)
※ちけっとぽーと、Store1894では絵柄入りのチケットを販売。
※詳細は展覧会サイトにて。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル
03-5777-8600