2015年2月27日(金)、フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY di Lorenzo Serafini)の2015-16年秋冬コレクションが、ミラノファッションウィークで発表された。クリエイティブ・ディレクターに、ロレンツォ・セラフィニ(Lorenzo Serafini)を迎えての初コレクションとなる。
長い廊下、高く突き抜けた天井、緑の芝が広がる中庭。まるで城のような、高貴な空間でショーは発表された。そんな会場の雰囲気は、ワードローブにダイレクトにリンク。気品溢れるフェミニンスタイルが今季のムードのよう。首元や胸元、手元など至るところに散りばめらたフリル、パールやリボンなどの溢れんばかりのデコレーション。女子の心をキュンキュンと刺激した。
多用されていたのは、レーシーなブラウスやワンピース。前述した女性らしい装飾が、上品な面持ちを造り出す。反してボトムスは、マスキュリンなパンツが揃う。例えば、センタープリーツ加工を加えたアンクル丈のもの、サルエル風のものなど。中には、大きなポケットを配したショートパンツのように、キュートなものも展開。それらはベルトでウエストマークを施すなどをして、高いウエストラインをキープしていたのが記憶に残る。
また、広がりや揺れへのこだわりを紹介したい。ファーストルックで登場したニットポンチョをはじめ、レッドやマスタードなどの暖かなパレットで表現されたトップス、トリを飾ったホワイトのマントなどは、ふわっと広がったシルエットを生み出していた。社交界にぴったりなロングドレスは、胸元を大きくカッティングしたり、リボンタイをあしらったりと、バリエーション豊かに展開されてたが、どのアイテムもモデルたちのウォーキングに合わせて、ひらひらと舞い揺れていた。
フィロソフィ バイ ナタリー ラタベージ(PHILOSOPHY by Natalie Ratabesi)時代は、直線や流線などを意識し、シンプルなカッティングから洗練されたアイテムが提案されていた。反して、ロレンツォ・セラフィニが描くのは、デコラティブでスイートな世界観のようだ。今後も目が離せないブランドとなりそうだ。