2015年3月5日(木)、カルヴェン(CARVEN)の2015-16年秋冬コレクションが、パリで発表された。新アーティスティックディレクターのアレクシス・マーシャルとアドリアン・カヨドが手掛けるデビューコレクション。フレッシュ、ミニマム、アクティブの3つがキーワードのようだ。
台形スカートと共に幕を開けたショー。このコンパクトなシルエットは鍵を握り、ミニスカートとスリムパンツを中心に、コレクションは進行していく。ライラックやブラック、時折パンチの効いたレッドやブルーを取り入れて、カラーチェンジをするのはもちろん。スカートにはレースやフリルを配したり、スリットを入れたり、パンツにはセンタープリーツ加工を施したりとアレンジを加え、少しずつ変化をもたらし、60年代のムードを届けていく。
“パリに住むロンドンガール”を描いた今季。そんな彼女が母国を離れ、アグレッシブに生活する側面は、スポーティーなジャケットが表現しているよう。丸みを帯びたシルエット、ボリュームのある素材、大きなポケット、首元でのジップ使い、高いラインでのウエストマーク……。懐かしさを感じさせるこのアイテムは、スキージャケットを想起させた。ボリュームのあるトータルネックニットも、ウィンタースポーツへ目を向けていることを匂わせる。
スポンコールや立体的な花を散りばめた、デコラティブなトップスなどを展開しつつも、ベースとなっているのはシンプルでウェアラブルなアイテムばかり。コーディネートのポイントとなるのは、太陽をイメージしたという大ぶりなネックレスだろう。またつるんとしたミュールも、鮮やかな色を選ぶことで、足元にアクセントを加えていた。
ギョーム・アンリの昨シーズンは、カタカナなどのジャパニーズカルチャーを交え、インパクトのあるワードローブを揃えていた。反して新生「カルヴェン」は、現代のニーズにマッチした透明感のある装いを提案してくれそうだ。今後も彼らの動向に期待が高まるコレクションとなった。