エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)の2016年コレクションがロンドンで発表された。今シーズンのコンセプトは、相対する要素を掛け合わせること。対になる事象を掛け合わせることで生まれる化学反応を楽しめるワードローブが展開された。
アーカイブ×新品、ハイ×ロー、ノスタルジック×モダン……。様々な組み合わせのコントラストを描くショーでは、それぞれのルックが別々の個性を発揮し、多様性を感じる展開に。ジェンダーレス、男女の垣根を超えた演出を施すため、中性的なモデルが男女共々採用され、ランウェイを彩っていた。
ショーのムードは、ウェアのシルエットから推し量ることができる。退廃的なユースカルチャーを漂わせる、オーバーサイズの着こなし。だらりと垂れ下がった水着をTシャツの上にレイヤードしたものなど、切り取った若者文化を誇張し再解釈したようなコーディネートが多く見られた。
脱構築的なシルエットは、採用された素材からも実現したもの。ダメージやクラッシュを繰り返したデニム素材に、ビニールを用いたスカーフを巻いた、非日常感を存分に味わえるルックがその代表であろう。このコーディネートをショーピースまで押し上げているのが、スパンコールが施されたレザースニーカー。足元からの輝きと気品が、全体のバランスをグッと引き立てた。