■トゥールビヨン
正確な時間を刻むための機構であるトゥールビヨン。その機能はもちろん、造形の美しさも魅力で、今回のトゥールビヨンが「アーミラリ」と名付けられたのは、その交錯する円や輪が「アーミラリ 天球儀」として知られる科学機器を思わせることに由来する。
そもそもトゥールビヨンは、懐中時計の為に製作された機構で、時計が垂直に置かれた状態での重力のかかり方を水平に置いた状態と同様にして、ズレを最小限にしたいという目論みがあった。搭載されているアーミラリ・トゥールビヨンは、3軸。重力によって生じた誤差をあらゆるポジションで解消でき、引力の影響は常に一定して補正するので、時刻がポジションの変化に左右されず調整される。
球体トゥールビヨンに使用される、球体ヒゲゼンマイのビジュアルエフェクトは圧巻。球体ヒゲゼンマイは、トゥールビヨンの完全な球状デザインと対を成す一方で、その特徴的な構造は有用性も備えている。時計製造における目標は、「等時性を保つ」こと。素材や形状まで恐ろしくこだわって作られる機構は、それを完璧に実現している。
左)日の出・日の入りならびに昼夜の長さを表示するダブル扇型インジケーター、右)均時差
■時間機能
平均時表示は、天文台やラボラトリーで用いられる精密な振り子時計のように、時、分、秒針を備えたレギュレーター式を採用。レギュレーター式とは、時、分、秒が別々に表示される仕組みのことだ。