■ユダヤ暦永久カレンダー機能
ユダヤ暦はグレゴリオ暦とは異なり、長い年月を一周期として推移するため、これを機械的な仕組みで完全な永久カレンダーに仕上げ、時計に組み入れるのは、これまで不可能とされてきた。ユダヤ暦永久カレンダーは、19年を1周期とするメトン周期に基づく。19年というサイクルは太陽年の倍数と朔望月の倍数がほぼ完全に一致するためだ。
朔望月の12か月を1年として、これを太陽年に一致させるには、19年に7回、閏月と呼ばれる13番目の月(アダルI)を追加する必要がある。この時計では、閏月の追加が可能になっただけでなく、1年が12か月(通常年)か13か月(閏月の追加年)かを針で示す巧妙な表示も備わっている。
ユダヤ暦では、朔望月による月の日数は 29日と30日を交互に配置。マルヘシュバン (グレゴリオ暦10月/11月)とキスレーヴ(グレゴリオ暦11月/12月)は、年によって29日もしくは30日になる。それを自動修正する日付針が、贖罪日のセクターとスモールセコンド秒針を配した同じ円にある。さらに日付表示の左右に、ヘブライ語で書かれた曜日と月を表示する窓も設置。
例えばユダヤ暦で2015年を計算すると、西暦の2015に3760を加算した5775年。ちなみに、ユダヤ暦における新年の月はティシュリ(グレゴリオ暦 9月/10月)にあたる。