フランスの風景画の変遷をたどる展覧会「樹をめぐる物語」が損保ジャパン日本興亜美術館で開催される。会期は2016年4月16日(土)から6月26日(日)まで。
本展覧会では、フランスを中心に国内外の美術館や個人所蔵作品から、油彩を中心に素描や版画など、自然や樹木に対する画家たちの想いが込められた作品約110点を展示する。
クロード・モネ《ヴェトゥイユの河岸からの眺め、ラヴァクール(夕暮れの効果)》1880年頃
油彩、キャンヴァス 120×155㎝ 個人蔵 Collection privée Photographie : Musée Camille Pissarro, Pontoise
失われつつある自然への哀惜、レジャーの発展にともなう田園生活への憧れ、台頭する富裕ブルジョワジー層の親しみやすい主題への愛好などにより自然に対する関心が次第に高まり、風景画が描かれるようになった19世紀前半。この時代の作品はバルビゾン派の画家、シャルル=フランソワ・ドービニーの 《ヴァルモンドワの下草》などを展示する。
そして、19世紀後半・20世紀になると、象徴主義やポスト印象主義の台頭により、外観よりも内面を表現しようとする動きや一瞬の印象よりも堅固な画面を求めようとする動きが現れ、その後、樹木は形態や色彩、タッチを自律的にとらえるためのモチーフとなっていった。この時代はフェリックス・ヴァロットンの《オンフルールの眺め、朝》や、モーリス・ドニの《小さなブルターニュの女性たち、沼のほとり》などの作品が展示される。
フランス近代風景画が展開する過程において「樹木」というモチーフがどのような役割を果たしてきたか、辿ってみてはいかがだろう。
【開催概要】
フランスの風景『樹をめぐる物語』-コローからモネ、ピサロ、マティスまで-
会期:2016年4月16日(土)〜6月26日(日)
※月曜休館
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜ビル42F
開館時間:10:00〜18:00
※金曜は20:00まで。入館は閉館30分前まで。
観覧料:一般 1,200(1,000)円、大学・高校生 800(650)円、65歳以上 1,000円、中学生以下無料
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金
【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:03-5777-8600