「VOCA展2016 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」が東京・上野の森美術館で開催される。期間は2016年3月12日(土)から30日(水)まで。
今回で23年目を迎える本展では、現代アートの平面作品の分野で将来性のある若い作家の支援を趣旨とし、全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどからなる推薦委員がそれぞれに選ぶ、40歳以下の作家全員の作品が出品される。こうしたシステムにより、東京のみならず全国で活躍する作家たちにスポットがあたることが本展のひとつの特徴だ。
久門 剛史(ひさかど つよし)
「crossfades #3」
紙、ルーペ、真鍮:ムーブメント、電池、アルミ、木材、その他
71cm×51cm(左)/71cm×51cm(右)
これまでの受賞者には、福田美蘭、やなぎみわ、蜷川実花、清川あさみなどが名を連ねる。本年度は、グランプリとなるVOCA賞に久門剛史の「crossfades #3」が決定したほか、VOCA奨励賞には鈴木のぞみと谷原菜摘子、佳作賞には大山 エンリコイサムと佐竹真紀が選出された。
久門剛史の作品には、音や光、立体を用いたインスタレーションで、見る者の視点と感度への問いかけがある。受賞作「crossfades #3」は、時計の秒針の先に付いたルーペで極小の数字を読むパネルと、全体に研磨された同寸のアルミニウム板とが対をなす。そこにあるふたつの“穴”は覗き込めば新しい知覚の可能性が感じられる。
左) 大山 エンリコイサム(おおやま えんりこいさむ) 「FFIGURATI #117」
カンヴァスにアクリル性エアゾール塗料、ペンキ 332cm×238.2cm
右) 尾﨑 森平(おざき しんぺい)「Ceremony」
アクリル、カンヴァス、パネル 246cm×196cm
また、佳作賞に選ばれた大山 エンリコイサムは、コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)へのアートワーク提供やシュウ ウエムラ(shu uemura)とのコラボレーションで知られる実力派。前衛的な彼の作品からは、グラフィティ文化やストリートアートにおける制作者の姿勢を感じ取れるだろう。
【開催概要】
VOCA展2016 現代美術の展望-新しい平面の作家たち
会期:2016年3月12日(土)~30日(水)
場所:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
開館時間:10:00~18:00
※入場は閉館30分前まで。
入場料:一般・大学生 500円、高校生以下 無料