ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2016-17年秋冬ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク最終日の2016年3月9日(水)に発表された。
会場には、パルテノン神殿をイメージした、大きなオブジェが所狭しと置かれている。伝統的なものをモチーフにしているのに、メタリックカラーに彩られ、どこか近未来的な感覚も加わっている。
このハイブリッドさは、コレクションピースにも生かされている。例えば、ショートジャケットをレイヤードしているように見えるタイトドレスは、レザージャケットの下に、ジャージ素材をドッキングさせたもの。また、モーターサイクルパンツには、スカートが重ねられ、ユニークなフォルムを築いている。
コーディネートも斬新で、ボクシージャケットの下に、ニットドレスを重ねて、さらにシルクのフレアスカートをあわせたり。ギャザーブラウスとワンピースを融合させたウェアにパンツをマッチさせたり。しかし、ボリュームトップスとタイトボトムスのプロポーションは一貫していて、ニコラ・ジェスキエールが好むスポーツスピリットとメゾン特有のエレガンスが見事に溶け合っている。
ディテールには、美しいクチュールテクニックを投影。スパンコールを並べて、その上からタイルのようなモチーフをペイントしたり、ウッドピースを骨のように並べてみたり。またシルク地には、バッグのハンドルやアクセサリーの一部分がプリントされていて、メゾンのヘリテージを感じさせる。
新作バッグは、人気のトランク型をアレンジしたもので、ボディにソフトレザーを使用。愛着のわくくしゃっとした形状だ。「過去を探究して、現代にむけたアレンジを加える」という、今季のアティチュードはここからも垣間見える。