特別展「没後150年 坂本龍馬」が、2017年4月29日(土)から6月18日(日)まで東京都江戸東京博物館で開催。その後、7月1日(土)から8月27日(日)まで静岡に巡回する。
《坂本龍馬湿板写真》 慶応2年または3年頃 高知県立歴史民俗資料館蔵
展示期間:4/29~5/1 ※3日間限定公開、以降は複製展示
日本の歴史上の人物の中で、現在最も人気のある人物の一人である坂本龍馬。彼の没後150年を迎えようとする今、龍馬が現代の日本人を惹きつける理由は何かという観点で、本展は構成されている。
彼の自由な発想や先見性、行動力、交友の広さ、家族への愛情、楽しげな文章表現などは、それを知った作家の創作意欲を掻き立てることもしばしば。それによって生まれた作品たちが、様々な媒体を通じて現代の日本人を魅了し続けている。
現在の龍馬のイメージを形作ったのは、昭和30年代後半に書かれた司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』。しかしながら、明治時代に生きた龍馬を知っていた人々は彼の功績をすでに理解しており、明治39年の没後40年祭には、すでに主要な手紙や遺品が集められ、展示公開されていたという事実がある。
重要文化財 《龍馬書簡 文久三年三月二十日 坂本乙女宛》 文久3年(1863) 京都国立博物館蔵 展示期間:5/23~6/4
本展では、薩長同盟や大政奉還などの歴史的評価はさておき、龍馬直筆の手紙に焦点を当て、彼の心根の真実に迫る。特に、坂本龍馬が「新国家」という言葉を用いて、新政府樹立に専心していたことを示す手紙は高知県以外での一般公開が初となる貴重品。本展では6月6日(火)から18日まで期間限定で公開されることとなった。
《龍馬書簡 慶応三年十一月十日 中根雪江宛》 (部分) 慶応3年(1867) 個人蔵 展示期間:6/6~6/18
暗殺5日前、中根雪江あてに書かれたその手紙で龍馬は、福井藩の財政を立て直した三岡八郎(後の由利公正)を新政府の財政担当にするよう、同藩重臣の中根に懇願している。新たな国づくりに情熱を傾けた彼の様子が窺える。
重要文化財 《龍馬書簡 慶応三年十月九日 坂本権平宛》 慶応3年(1867) 京都国立博物館蔵 展示期間:5/23~6/4
また、京都国立博物館に収蔵されている遺品の公開や、近年発見され、解明が進む書状、剣術免状など、彼の資料が幅広く集結。さらに書物だけでなく、龍馬の愛用した刀も展示。彼が近江屋で暗殺された時に所持していたであろう刀や、坂本家に戻されたものがお披露目される。また、北辰一刀流の目録が複数あったことや、刀の最新の研究成果も同時に閲覧することができる。
《刀 銘吉行 坂本龍馬佩用》 江戸時代(17~18世紀) 京都国立博物館蔵
龍馬のファンもそうでない人も、彼の人となりや現代に与えている影響を、展覧会で実感してみてはいかがだろう。
【概要】
特別展覧会 没後150年 坂本龍馬
■東京都江戸東京博物館
期間:2017年4月29日(土・祝)〜6月18日(日)
休館日:毎週月曜日(5月1日と5月15日は開館)
開館時間:9:30〜17:30(土曜日は9:30〜19:30)
※入館は閉館の30分前まで。
住所:東京都墨田区横網1-4-1
料金:
・一般 特別展専用券1,350円(1,080円) / 特別展・常設展共通券 1,560円(1,240円) / 特別展前売り券 1,140円
・大学・専門学生 特別展専用券 1,080円(860円) / 特別展・常設展共通券1,240円(990円) / 特別展前売り券 870円
・中学生(都外)・高校生・65歳以上 特別展専用券 680円(540円) / 特別展・常設展共通券 780円(620円) / 特別展前売り券 470円
・小学生・中学生(都内) 特別展専用券 680円(540円) / 特別展・常設展共通券 なし / 特別展前売り券 470円
※( )内は20名以上の団体料金。
※前売券は3月1日(水)~4月28日(金)まで販売予定。
※特別展・常設展共通券の前売はなし。
※会期中は当日料金で販売。
※未就学児童、および身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳の携帯者と、その付き添い(2名まで)は、入場無料。
※高・大学・専門学校生は学生証を、65歳以上は年齢を証明するもの(健康保険証、運転免許証など)を要提示。
※毎月第3水曜日(シルバーデー)は、65歳以上の方は観覧料が無料。
■静岡市美術館
期間:2017年7月1日(土)〜8月27日(日)
休館日:月曜日(7/17、8/14は開館、7/18は休館)
開館時間:10:00〜19:00
※入館は閉館の30分前まで。
住所:静岡県静岡市葵区紺屋町17-1葵タワー3F