MSGM(エムエスジーエム)が、2016年プレフォールコレクションを発表。
40年代がインスピレーションとなった今シーズン。戦争の勃発により、男性的かつ禁欲的な洋服の提案がなされ、女性のファッションに大きな変革が訪れたころ。しかし、終戦と同時に女性のエレガンスやフェミニニティを再確認した時代でもある。
そんな時代を反映するように、溢れだすエレガンスやフェミニニティは大胆に具現化。ロックやスポーティなテイストを融合して、新鮮なコレクションを創出している。その中で「ピエロ」をデザインソースとして起用することで、コミカルな演出を見せた。
ラッフルとフリルは、マスキュリンなワイドパンツ、ブルゾンやコートなどのアウター類、さらには足元のサンダルや手元のバッグまで施された。ピンと張りのあるエコレザーで表現することで、さらに主張的に映る。また、ボトムスに散見されのはチュールからなるティアードスカート。アウターを着ても浮き上がるほどのボリューム感が、女性らしさのひとつのカタチなのだろう。
それらとは対照的に、ボーイッシュなオーバーサイズのニットはグランジのムードへ。メンズコレクション同様、裾をわざとほつれさせたり、アーガイル柄に穴を開けたりして、キッチュなディテールを取り入れた。
大胆なフラワーモチーフは、レトロな風合いを覗かせながら柄と柄の斬新な組み合わせで提案。そこに隠れた猫たちは、ピエロの空想的な要素をくみ取った存在で、気まぐれにウールコートのバックで居心地よさそうに座っているものもいる。一方で、チェックのパターンは、フェミニンよりもクラシカル。タイトなシルエットに丁度合う、程よいマニッシュさが魅力となっている。