三鷹の森ジブリ美術館で、新企画展示「猫バスにのって ジブリの森へ」が開催される。期間は2016年7月16日(土)から2017年5月(予定)まで。
©Museo d'Arte Ghibli ©Studio Ghibli
ジブリ美術館が2001年からこれまで開催してきた企画展示は14本を数える。本展はそれら歴代の企画展をコラージュのように集約し紹介するものだ。映画を生み出す“作り手の想い”と“発想の種”に焦点を当てた本展示をレポートする。
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企画展は入口からユニーク。入口の壁から顔と前足が飛び出したネコバスが来場者を出迎える。このネコバスをくぐるようにして中に入ると、そこはもうネコバスの内部だ。床から天井まで隅々がふわふわの毛皮に覆われている。ソファーに座ると、映画の中でサツキとメイが感動していた、沈み込むようなふかふかの感触を実際に体験することができる。
©Museo d'Arte Ghibli ©Studio Ghibli
ネコバスを出ると、映画『ハウルの動く城』の荒野の背景と共に、ハウルの動く城の展示物が登場する。こちらは今回の企画展のために新たに制作したもので、ネコバスが向かう異世界を象徴する存在だという。異なる作品が一つのコンセプトの下で一体になった世界を味わえる。この部屋では他に、「ピクサー展(2004年)」、「アードマン展(2006年)」、「崖の上のポニョ展(2009年)」、「ジブリの森のレンズ展(2013年)」も紹介。
©Museo d'Arte Ghibli ©Studio Ghibli
1つ目の部屋から2つ目の部屋の間の空間には、「3びきのくま展(2007年)」の展示がある。腰をかがめてやっと通れる入口からその空間を覗くと、体調2m超もありそうなスケールの、3匹の熊に見下ろされる。原作絵本の少女がくまの家に入った驚きに共感できる展示だ。
©Museo d'Arte Ghibli ©Studio Ghibli
続く部屋の目玉展示は、新たに開発された鳥型飛行機「アルシオーネ」。この色鮮やかな機体の周りには、「天空の城ラピュタと空想科学の機械達展(2002年)」より、空想が生み出した奇妙な乗り物や機械についての解説パネルが広がる。この部屋には、「クルミわり人形とネズミの王さま展(2014年)」、「小さなルーブル美術館展(2008年)」、「挿絵が僕らにくれたもの展(2012年)」の展示も。
また、最後の展示スペースでは、作り手たちの仕事に焦点を絞った「アルプスの少女ハイジ展(2005年)」が紹介される。名作が誕生するまでのロケハン資料やキャラクターデザインに関する資料など、アニメーターたちの現実的な一面が垣間見れる。さらに、初代企画展示である「千と千尋の神隠し展(2001年)」と、昨年2015年に開催された「幽霊塔へようこそ展」が同じスペースで紹介されるので、今と昔の展示を比べて楽しむことも可能だ。
ジブリ美術館は、2016年5月9日(月)から7月15日(金)まで改修工事で長期閉館していた。次に、このリニューアルのポイントと、常設展も含めた注目の展示について紹介する。
・リニューアル
リニューアルで大きく変わったのは外壁。年月をかけてツタがからんだ美しい外壁も残しつつ、色鮮やかな赤・青・白で塗り替え、開館当初とはまた違った趣で生まれ変わった。また、『天空の城ラピュタ』に登場するロボット兵のいる屋上も改装されている。
・映像展示室「土星座」 B1F
エントランス空間の横にある映像展示室「土星座」では、ここでしか見ることのできないオリジナル短編作品が上映されている。また、2Fにあるギャラリーでは「土星座」でこれまでに上映された全作品に関する展示が開催中だ。
・常設展示室「映画の生まれる場所」
ここでは、アニメーション映画が完成するまでの仕事を作り手たちの作業場を再現した室内で紹介する。改装前と展示の構成は変わっていないが、壁にたくさん貼られたスケッチ画の複製などが新しく貼り替えられるなど、常設展示も隅々まできれいにされた。
・ネコバスルーム
2Fにあるネコバスルームは、小学6年生以下の子供が対象のプレイルーム。これまでは、子供だけがここでねこバスに乗ることができたが、上で紹介したように、企画展示室内には大人も乗れるねこバスが登場中。両方のスケール感の違いも楽しんでみては。
新展示「猫バスにのって ジブリの森へ」
期間:2016年7月16日(土)~2017年5月(予定)
場所:三鷹の森ジブリ美術館
住所:東京都三鷹市下連雀1丁目1-83
【チケットの購入方法】
ジブリ美術館は、美術館をより安全で快適に楽しめるよう日時指定の予約制を行っている。
購入場所:全国のローソン
価格:
大人・大学生 1,000円
高校・中学生 700円
小学生 400円
幼児(4歳以上) 100円
※4歳未満は無料。
※上記の料金で短編映画も鑑賞できる。
※団体や前売り他各種割引制度は、実施していない。
※上記料金は、税込み。
入場時間:
開館時間は、10時から18時(火曜休館)、入場時間は1日4回。
・1回目入場 10時(10時30分までに入場)
・2回目入場 12時(12時30分までに入場)
・3回目入場 14時(14時30分までに入場)
・4回目入場 16時(16時30分までに入場)
※入場指定時間から30分後までの入場。
※入れ替え制ではないので閉館時間までゆっくり楽しめる。
※カフェの営業時間は11時から。
※営利目的でのチケット転売は、いかなる場合にも禁止。
※オークション等で転売されたチケットであると判明した場合、入場を断る場合あり。
【毎月10日はジブリ美術館チケット発売の日】
ジブリ美術館のチケットは1ヶ月ごとの販売。
毎月10日午前10時から、翌1ヵ月分を販売。
【アクセス(美術館への行き方)】
■1,徒歩
三鷹の森ジブリ美術館は、JR三鷹駅南口から玉川上水沿いをゆっくり歩いて約15分。
玉川上水沿いには、美術館の方向を指し示す案内看板がある。
また、三鷹駅南口からコミュニティバスを利用すると約5分。
なお、三鷹駅へは、新宿駅からJR中央線の快速で20分。
■2,コミュニティバス
JR三鷹駅南口からコミュニティバス2路線が開設されている。
スタジオジブリがデザインしたバスも走っているのでチェックしてみて。
定員:55人、車椅子1台
料金:大人 片道210円、往復320円 / 子ども 片道110円、往復160円
※往復割引券は、三鷹駅南口バス停前の券売機およびバス案内所で販売。
※混雑時は臨時増発を予定。
※美術館休館日には減便となる。
※消費税の引き上げに伴い、2015年4月1日に乗車運賃が改定。
・ルート1.三鷹駅発 三鷹の森ジブリ美術館経由 三鷹駅行き(循環)
[三鷹駅南口]→[むらさき橋]→[文化園西]→[万助橋]→[三鷹の森ジブリ美術館]→[明星学園入口]→[下連雀]→[連雀通り商店街]→[南浦]→[仲町通り]→[北浦]→[本町通]り→[三鷹駅南口]
・ルート2.三鷹駅発 三鷹の森ジブリ美術館経由 明星学園行
[三鷹駅南口]→[むらさき橋]→[文化園西]→[万助橋]→[三鷹の森ジブリ美術館]→[明星学園入口]→[厚生園裏]→[牟礼西町]→[明星学園前](折り返し)→[牟礼西町]→[厚生園裏]→[明星学園入口]→[万助橋]→[山本有三記念館]→[三鷹駅南口]
【問い合わせ先】
TEL:0570-055777
(ご案内ダイヤル/9:00~18:00/休館日の火曜日をのぞく)