ボンポワン(Bonpoint)の2017年春夏コレクションは、映画や芸術作品、美しい風景などを着想源に複数の情景が重ねられたワードローブを展開。インスピレーションの違いによりガラリと表情を変える洋服、それを着こなす幼いモデルたちに注目し、ショーを紐解いていく。
最初のテーマは、ウェス・アンダーソン監督の映画『ムーンライズ・キングダム』に登場する1960年代の少年少女たち。色褪せたジーンズやチェリープリントのタイトなニット、ふわりとなびくスカートに光沢のあるレザー。原色系の明るいパレットに、若者たちの夢を乗せた、冒険心溢れる表現が楽しめる。
続いて登場したのが、詩人ジョン・キーツと恋人ファニー・ブローンの悲恋を描いた作品『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』。劇中に登場する、象徴的なイングリッシュガーデンの雨でくすんだ色合いや田舎町の香り、少し褪せたような懐かしさを洋服に落とし込み、アンニュイな日曜日の散歩を演出した。
さらに、ゴーギャンの作品からインスパイアされた色鮮やかなアイテムがワードローブを力強く彩る。他にも写真家ロベール・ドアノーの写真集から着想を得た、陽気なドレススタイルや写真家マッシモ・ヴィターリによる、ビーチとそこで夏を楽しむ人々が映し出された“ハイ サマー”をイメージした魅惑的なアイテムなど表情は様々。ストーリーを知ってから洋服に思いをはせることができるのはもちろんのこと、着こなしからその情景を思い浮かべてみても楽しいコレクションに仕上がった。