ミュベール(MUVEIL)は、2017年リゾートコレクションを発表した。
主人公は「恐竜」。しかし、古代の地球に存在していた獰猛で不気味なものではなくて、デザイナーの中山路子が描くのは‟草食系”のダイナソー。肉は食べず苺が大好き、仲がよいのは蝶々たち。そんなおっとりしたキャラクターをスポーティなスタイルに溶け込ませて、「ジュラシックスポーツ」という名の新スタイルを提案する。
「恐竜」は、あらゆるところから顔を出す。カラフルニットの上で戯けてみせ、手書き風の総柄コートの上でのんびり散歩。ブラウスの周りには、ジュラ紀の花をイメージしたフラワーモチーフが添えられ、「恐竜」の足跡や割れた卵がスウェットトップスの上にランダムに散りばめられた。
コーチジャケットに描かれた、謎の‟1829”の文字。実はこれ‟いらないわ、肉”と菜食主義へのアナウンス。消火器のモチーフにだって、‟火をはかないよ”というメッセージが隠されているし、ひらひらとしたラッフルも「恐竜」の背びれからのインスピレーションを受けている。
装いは、新しいファッションの流れの一つ「アスレジャー」をミュベール流にアレンジしたもの。ビジュー刺繍のついたスウェットトップスにプリーツスカートをあわせたり、タイトワンピースにフード付きアウターをあわせたり。アウターが肩から滑り落ちないようにとめた‟サスペンダー”ライクな吊りベルトも、今季を彩るアイテムだ。