映画『ブルーに生まれついて』が2016年11月26日(土)に公開。Bunkamura ル・シネマ、角川シネマ新宿他、全国にて上映される。
50年代のウエストコースト・ジャズシーンを代表するトランペッターにしてシンガーのチェット・ベイカー。その甘いマスクとソフトな声で多くのファンを魅了した彼は、モダン・ジャズ界で高い人気を誇る。そんな輝かしい名声とは対照的に、私生活では、麻薬に溺れる過酷な日々。本作は、そんな彼の転落と苦悩、そして、ある1人の女性との出会いによって再生する姿を描いたラブストーリーだ。
チェット・ベイカーを演じるのは、映画『6才のボクが、大人になるまで。』などで知られるイーサン・ホーク。本作品で2度目のアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。ヒロインには『グローリー/明日への行進』などに出演するカルメン・イジョゴが務める。
イーサン・ホークは本作のために、6カ月に及びトランペットを集中トレーニングした。劇中では「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」など数々の名曲が登場し、しっとりと本編を彩る。彼の歌声と演奏に注目したい。
チェット・ベイカーが活躍した1950年代のアメリカでは、ファッション、音楽、文学など若者たちによる新しいカルチャーが誕生。特にファッションシーンにおいては、ハットに革のジャケット、シャツにジーンズ、Tシャツにワークブーツという“アメリカンカジュアル”が流行した時代だ。劇中のイーサン・ホークは、ブルーのオープンシャツにデニム、ダークブラウンのハットとジャケットをシンプルに着こなす。
本作の衣装デザイナーのアン・ディクソンは、「繊細で自然主義的なこの時代の美的感覚を捉えるべく、全体にパステルブルーとブラウ ンを好んで取り入れた。」と語る。また、この時代において外せないのがジェームズ・ディーンの存在で、彼が好んで着用した白いシャツとデニムといったシンプルなスタイリングは若者の憧れとなった。時を同じくしてチェット・ベイカーもその絶大なから“ジャズ界のジェームズ・ディーン”と言われていた。
写真家ブル ース・ウェーバーが撮影したチェットの大ヒットアルバム『チェット・ベイカー・シングス』 のジャケットに映る姿は、ジェームズ・ディーンを彷彿させる。アメリカのファッション文化を築き上げた50年代のファッションカルチャーが堪能できるのもこの映画の魅力の一つ。物語と並べてそのファッションにも注目してみて。
ブルーに生まれついて(原題:BORN TO BE BLUE)
公開日:2016年11月26日(土)
監督・脚本:ロバート・バドロー
出演:イーサン・ホーク、カルメン・イジョゴ、カラム・キース・レニー
サウンドトラック:ワーナーミュージック・ジャパン
配給:ポニーキャニオン
宣伝:ミラクルヴォイス
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■ストーリー
黒人アーティストが主流の1950年代モダン・ジャズ界において、その甘いマスクで女性を虜にし、ファンを熱狂させていたジャズ界の異端児、チェット・ベイカー。その後、麻薬に溺れどん底の日々を送っているが、自身の人生を描いた映画の出演で一人の女性と出会ったことをきっかけに、愛と償いの機会を模索する....。