展覧会「ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ―境界線への視線」が、2016年9月10日(土)から2017年3月3日(金)までポーラ美術館で開催される。
かつて壁や防塁に囲まれていた城砦都市パリ。20世紀初頭には、都市の周縁に移民や貧困者が住み着き、次第に街が拡張されていった。本展では、その都市拡張のダイナミズムを映し出した画家や写真家にスポットライトを当て、それぞれの作家のもつ都市の境界線への視線を、約120点の作品によって検証する。
アンリ・ルソー 《エッフェル塔とトロカデロ宮殿の眺望》 1896-1898年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵
第1章で紹介するのは19世紀から20世紀、パリの人口が劇的に増加し、都市の様相も変化し始めた時代。街の風景を鋭くとらえたアンリ・ルソー、そして彼を敬愛したパブロ・ピカソの作品を展観する。
第2章では、「乳白色の下地」で独自のスタイルを確立したレオナール・フジタ(藤田嗣治)の絵画を揃える。超境者の1人である彼が、パリ郊外を表現した風景が並ぶ。そして、第3章では、19世紀の古き良き時代の姿を丹念に記録した近代写真の先駆者ウジェーヌ・アジェの写真を、ルソーやシュルレアリストのデ・キリコの作品と共に展示する。
ウジェーヌ・アジェ 《中庭、ブロカ通り41番地、パリ5区》
1912年 ゼラチン・シルバー・プリント 川崎市市民ミュージアム蔵
展示期間:9/10~10/23
続く第4章で目にするのは、郊外の風景に向かい続けたのはモーリス・ユトリロの絵画。ひなびた漆喰壁をそのまま画布に移したような独特の作品からは、今までの画家とは一風変わった世界観が味わえる。最終第5章では、特にフジタが手仕事に勤しむ自画像や子供たちをテーマに描いた作品とともに、“パリの境界線”にまつわるテーマに沿って展示を繰り広げる。
【開催概要】
展覧会「ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ―境界線への視線」
開催期間:2016年9月10日(土)~2017年3月3日(金)
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
開催場所:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
TEL:0460-84-2111(代表)
入館料:大人 1,800(1,500)円、シニア(65歳以上) 1,600(1,500)円、大学・高校生 1,300(1,100)円、中学・小学生 700(500)円
※料金は税込み。
※()内は15名以上の団体料金。
※中学・小学生の入場は土曜日無料。
※中学・小学生が授業の一環として観覧する場合は、引率教員等の入場料は無料。