サポートサーフェス(support surface)の2017年春夏コレクションが2016年9月6日(火)、東京・御成門で発表された。
デザイナーの研壁が描き出した今シーズンの世界観は、“作り込まれたさりげなさ”によってもたらされる、フェミニニティとエレガンスが迸るもの。そこには奥ゆかしさがあり、余裕がある。モデル達の表情や歩く速度にも現れるその気配は、無機質でアーキテクチュアルな会場に漂っていた。
土色のようなオレンジや抹茶のようなグリーンなど、和の要素を感じさせるカラーを織り交ぜながら、基本的には落ちついたパレット。そこに彩度の高い赤やピンクを加えることで、心地よいメリハリを演出する。色合いが引き立てるのは、それぞれの布地が持つデザイン。遠くからは見えずとも、ウェアが纏う気配には大きな影響を与えている。
表面には現れないディテール。人工スエードやコットンなど、様々な素材にパンチングなどの加工を施し、物量感のある布地にも透け感や透明感を加えている。季節感を反映させることと、歩を進めた時に“風が見える”こと。その二点が、全体のゴージャスさにも繋がっている。
洋服を見る際、知らず知らずのうちに注目しているのは、胸や膝、顔がある“前側”だろう。しかしこのコレクションでは、前後でどちらも主役になりうるような全く違うデザインを施しているウェアが多数登場する。座る際や屈む際など、負担がかかるのは洋服の後ろ側。実際に使用されるシーンを想定し、生地自体やそのパターンなどを選びぬいた、こだわりの結晶としてワードローブは完成した。