グッチ(GUCCI)は、ミラノ・ファッション・ウィーク初日の2016年9月21日(水)、2017年春夏ウィメンズコレクションを発表した。2017年よりメンズ・ウィメンズ統合ショーを行うこと、また舞台を新社屋に移すことがアナウンスされたため、ここ数シーズンに渡ってミケーレのクリエーションを見守ってきたこの地での披露は最後となる予定だ。
会場に足を踏み入れると、スモークが焚かれた場内にミラーパーツが輝いていた。ミケーレが度々キーカラーの一つとして選んできた‟ピンク”色のピースは、250,000を超えるほど飾られ、人々の動き・空気の流れによって揺れ、神秘的な空間を演出。ランウェイは迷路のように入り組んだ作りで、うねうねとした動線を導くように、アイコン‟ウェブ”ストライプとスターモチーフがあしらわれていた。
重低音と管弦楽、そして女性のささやきがミックスされた、独特のサウンドにのせて、今季は始まる。ピンクのチェック模様をのせたジャケットに、長く垂れ流れたスカーフ、‟ドデカイ”サングラスを合わせた、ミケーレ色の強いルックからのスタートだ。ボトムスはクロップド丈のフレアパンツ、アクセサリーは、フルーツとパールのW付けネックレス。
その後も、リュクスとストリート、エレガントとガーリー、マスキュリンとフェミニン、過剰と質素…相反するものが交差。カジュアルもフォーマル・ドレスも全て足し算され、異空間が構成されていく。
パフスリーブやフリルを飾ったプリンセスドレスには、レギンスをマッチさせたり、グリッターカラーをデコレーション。さらに、バッグは首から通して後ろ前に背負わせ、さらにビッグトートを持たせた。スーツスタイルは、ジャケットとパンツでちぐはぐのカラーを合わせたり、上半身はぶかぶか下半身はタイトとサイズで遊んだリ、コーディネートで面白みを与える。ファーコートやマキシ丈ドレスには、しまうまやクラゲ、パイナップルを描いて、動植物を尊重する独自の世界観を強化させていく。
一つ一つのピースに異なる要素を融合させているため、どれも独立した存在として映る。一つ一貫している要素を上げれば、ヘッドアクセサリーでの遊びだ。乗馬ハットを想起させるもの、折りたたんだ海賊風ハット、ファーストルックから登場したスカーフ、そしてデコラティブなサングラスが今季を象徴するアイコンとして鎮座している。