特集展示「百貨店と近世の染織」が、千葉・佐倉の国立歴史民俗博物館で開催される。会期は、2016年10月18日(火)から12月18日(日)まで。
左)藤花舟模様帷子(ふじばなふねもようかたびら) 江戸時代中期・17〜18世紀 近松時代風俗展覧会(長堀橋・高島屋呉服店、 大正11年)出陳品
右)幔幕桜楓模様振袖(まんまくさくらかえでもよう ふりそで) 江戸時代後期・19世紀 友禅遺品展覧会(高麗橋および日本橋・三越 呉服店、大正9年)出陳品
同館で同時期に開催される企画展示「身体をめぐる商品史」と連動し開催される「百貨店と近世の染織」。近代の百貨店が開催した展覧会をとりあげ、そこで実際に陳列された近世の染織品を展示する。
近代の百貨店は、多くが呉服商を前身としているため、女性の着物の販売注力していた。そして、 新柄の着物の販売を促進するために、歴史的な資料を参考品として陳列することが頻繁に行われていたという。
理由としては、新製品に歴史的な裏付けがあるという価値を与え、所持することの趣味の良さを訴えかける効果があげられる。展覧会内では、「慶長風俗展覧会」、「近松時代風俗展覧会」、「友禅遺品展覧会」と「友禅斎謝恩碑 落成法要」をとりあげ、近世の染織品がいかに利用され、文化が伝播されたかを示す。
左)松梅鶴模様振袖(まつうめつるもようふりそで) 江戸時代後期・19世紀 友禅斎謝恩碑落成法要(大正10年)出陳品
右)藤尾長鳥模様振袖(ふじおながどりもよう ふりそで) 江戸時代中期・18世紀 友禅斎謝恩碑落成法要(大正10年)出陳品
見所は、近世の染織品とともに、それを参考にして制作された着物の図案の写真パネル。近世の染織品をもとに、どのように新たな製品がつくられたかが、具体的に見ることができる。また展示する近世の染織品のほとんどが、国内はもとより海外でも高い評価を得ている野村正治郎のものである点も注目のポイントだ。
【概要】
総合展示 第3展示室 特集展示「百貨店と近世の染織」
会期:2016年10月18日(火)〜12月18日(日)
会場:国立歴史民俗博物館 第3展示室
住所:千葉県佐倉市城内町117
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00まで)
休館日:毎週月曜日
料金:一般 420(350)円、高校生・大学生 250(200)円、中学生以下無料
※毎週土曜日は高校生入館無料。
※( )は20名以上団体料金。
※障害者手帳等保持者は手帳提示により、介護者と共に入館無料。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:03‐5777-8600(8:00〜22:00)