アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2016年10月1日(土)に発表された。
‟デジタル社会でどんな情報でも得られる環境なのに、なぜ国と国の境を閉ざすのだろう。もっと開放的に世界中を見て回ったらいいじゃない。”、クリエイティブ・ディレクターのジョニー・ヨハンソンが抱いた、とてもチャーミングで素朴な疑問から歩み出した今シーズン。ジョニーの優しさで包み込んだような穏やかさと温かみに満ちたコレクションである。
ランウェイにはシースルー素材のドレス、カシミヤ仕立てのオーバーオールが並ぶ。どれも非常にオーバーサイズで、布団や毛布で覆うように身体を囲っている。肩の落ち感、たっぷりとした身幅は、緩くそれでいてルームウェアとは異なるフォーマルさを纏い、独自の世界観を構築している。
スカーフやブランケットからの着想は、床をはうようなロングラインと余韻を残す贅沢な生地感へと繋げた。さらに各国から学んだ文化は様々な色柄で象徴的に描かれ、ペイズリー、チェック、インドの織物調のエキゾチック模様などが、時に拡大され時に縮小され、はたまた色を変えて、服地の上で手を繋ぐようにパッチワークされている。フットウェアには世界中のエッセンスがわかりやすく投影。東ローマ帝国で見られたスリッパ、ビジューで彩られたモロッカンシューズなどが登場している。
ロングオンロング。とにかく長い丈と袖のものがコンビネーションされている。そこにプラスαとしてスーパーロングスカーフが盛り込まれ、ショー全体にリラックス感が広がっている。間に差し込まれたデニム地が意表を突くが、それらはストーンウォッシュを施した、クラフトを感じされるもので、ビックサイズのオーバーオールやシャツになって、アットホームな雰囲気をより高めている。