バレンシアガ(BALENCIAGA)の2017年春夏ウィメンズコレクション。デムナ・ヴァザリアを迎えて2シーズン目となるランウェイショーをパリ・ファッション・ウィーク6日目の2016年10月2日(日)に行った。
デムナのデビューは、多くの人々に衝撃とチャレンジスピリットを与えるものだった。原型から離れたフォルムの作り方、ストリートからモードへの転身。自身の長所を活かした、メゾンの内側からの改革は斬新な形の造形へと繋げた。
2度目となる今季も、デムナのスピリットは変わっていない。「クチュールとフェティシズム」これがシーズンキーワードである。フェティシズム、これが何を指しているかは定かではないが、少なくとも‟スパンデックス”という素材に着目していることは確かである。伸縮性に富んだ素材の特性を生かして、シューズと一体になったパンツを提案している。
また‟肩を抜く”オリジナルの着こなしを提案していた昨シーズン同様、今季もコーディネートにはこだわりがあるようだ。ランウェイでは一方向のアプローチしか見せていないが、実際ウェアは様々な着こなしを楽しめるようになっている。
例えば、ストライプ柄のコートはそのまま纏えば綺麗なライン。ただ内側にもう一枚かませていて、スカートとセットになっている。そのため、ボタンを留めればコートに、ボタンを空ければアシンメトリーに、はたまたスカート部分もオープンにして着ることも可能だ。また、終盤にかけて差し込まれたダウン風ベスト。実はこれは空気で膨らむ構造で、空気量に応じて変形させることもできるギミックなウェアだ。
また、買った人にしかわからない仕掛けが施されているのもポイント。真っ赤なフード付きトップスの袖元にあしらわれたURLにアクセスすると、メッセージが受信できる。これはコマーシャルピースにも応用され、それぞれに違うナンバーが配され、アクセスすると異なるメッセージが流れるという。
昨シーズンは‟バザールバッグ”で話題をさらったメゾン。今季は街中で布団が売られているときに着想を得たのだろうが、毛布のような懐かしい刺繍が施された‟ブランケット バッグ”がデビュー。さらに、クッション着想の円形型‟クッション”もバッグラインに仲間入りしている。