2012年3月23日に行われたシブヤファッションフェスティバルで、JUN OKAMOTO(ジュン オカモト)の初のインスタレーションイベントが行われた。ブランドの世界観を表現し、物語の一場面を切り取ったような演出で展開した。
テーマは「花束・マジック・グレングールド」。グレングールドはカナダ生まれの天才ピアニストだ。どことなくミステリアスなこれらのキーワードは、デザイナーの岡本が描くショートストーリーの中で使用され、2人の男女の像を浮かび上がらせる。イメージされるのは、彼女を大切に想う生真面目で優しい男性と、儚げでかわいらしい女性。
メンズはジャケットやカーディガンなどかっちりしたアイテムを使いながらも、ボタンを使わない大きい襟のコートや、ゆったりした素材のパンツやシャツなどが柔らかい印象を与えている。レディースはモノトーンのスタイリングやジャケットを使ったコーディネートなど大人っぽさを演出するアイテムもある反面、ベージュを多く取り入れたスタイリングや、ギャザーがたっぷり入ったオフショルダーのトップスやミニワンピースなど、女性らしさを感じさせるアイテムも多く取り入れ、スタイリングに幅を持たせた。
テーマから浮かび上がる2人の男女を幻想的に表現し、まるでクイズの答え合わせのような形で行われた今回のインスタレーションは、自身のブログでも物語調で言葉を紡ぐ岡本の想いが伝わってくる温かなものとなった。
ショートストーリーURL:http://www.junokamoto.com/06blog/