sacai(サカイ)の2020年春夏コレクションが、2019年9月30日(月)、フランス・パリで発表された。
今シーズンのテーマは「One nation under a groove. 」。ジョージ・クリントン率いるファンクバンド「ファンカデリック」の楽曲だ。人々の調和や団結を訴えるこの楽曲に、洋服のさまざまな要素を組み合わせ調和させていくブランドの服作りの姿勢を重ね合わせた。
「人類はよりよい未来へ向かっている」というメッセージを伝えるべく放たれたファーストルックは、鮮やかな世界地図をモチーフにしたドレス。透け感のある軽やかなテキスタイルが、モデルが歩みを進めるたびに空気を含んで揺れ動く。ドットやストライプもあったが、それらは比較的オーセンティックなパターンであり、この鮮やかでプレイフルな地図プリントが今季のシグネチャーと言えるだろう。
アイテムは、sacaiらしい“ハイブリッドの美学”が投影されたものであるが、今シーズンはクリーンでエレガントなムードが漂っているように感じる。たとえばミリタリーなフライトジャケットには真っ白なファブリックを使用して、スリーブや背中に女性らしい丸みを帯びたシルエットが出るように仕立てている。
上品な印象をもたらすレディライクなツイード素材のセットアップは、時には透け感のあるオーガンザをコンビネーションして、時にはたっぷりのフリンジをダイナミックにあしらって、ミックススタイルに。カラーはモノトーンで統一し、ややシャープな印象に仕上げている。
また今シーズン一際目を惹いたのが、シフォンのブラウス、カーキパンツ、トレンチを1つのドレスに再構築したピース。一見するとそれぞれのアイテムをレイヤードしているルックにも見えるが、トップスとパンツの境目がつながっていたり、アウターのバックスタイルにパンツのヒップにあたるディテールがあしらわれていたりと、sacaiらしい感性が光る。
バッグには、今季を象徴する世界地図をプリントした球体バッグが登場。その形状もあいまって地球儀を彷彿とさせる遊び心溢れるアイテムだ。シューズで目を惹いたのはボリューミーな厚底ソール。ロープのようなストラップを結んだものや、ベルトストラップを配したもの、ミニマルなショートブーツなどが足元を彩る。