マスターマインド・ジャパン(mastermind JAPAN)の2013年春夏メンズコレクション。ブランド設立15周年となる今シーズンで活動休止宣言をしているマスターマインド・ジャパンにとって、メンズコレクションとしては最後のランウェイショーとなった。テーマは「mastermind」の最後のアルファベットの頭文字から始まる「dreaming」だ。
会場は静まり、来場客はかたずを飲んでショーが始まるのを待つ。背面全体がライトアップされると同時に爆音が鳴り、ラスト・ステージがついに始まった。
ブランドのトレードマークであるスカルモチーフはスワロフスキー・エレメント、プリントなどでコレクション全体に用いられる。オールブラックのテーラードのスーツやジャケットスタイルに始まり、徐々にプレッピーやカジュアルなテイストを濃くしていく。
チェック、デニム、パッチワーク、スウェットなど得意のカジュアルなアイテムから構成されるルックの多くは、グレー、ブラック、ネイビーなどのベーシックカラーによるワントーンのスタイル。腿周りをルーズにしたパンツシルエット、ハーフパンツなどで独自のカジュアルで洗練されたバランスを作り出す。
スカルの使い方も、一層独創的に。背面だけに大柄のドットのようにドクロマークをあしらったり、星条旗の星の代わりにドクロを用いたり、パンツのヒップに大きくペイントしたりと、それぞれがユニークな表情で主張する。光沢のあるシルキーなオープンカラーシャツにデニムを合わせ、大人の余裕が生み出すラグジュアリー×カジュアルなスタイルを体現。そのほか、ステューシー、コム・デ・ギャルソン、ロエベ、アディダス、ローリングストーンズなどとのコラボレーションアイテムも登場した。
ショーのラストには「Don't dream it's over.」のメッセージが。それが意味するのは「これで終わったと思うなよ」といったところか……。休止宣言を惜しむファンにとっては、再開をほのめかす、前向きなメッセージとして捉えたい。「どう解釈しても自由なんです」とデザイナーの本間正章。センス、クオリティ、遊び心とエンターテイメントが隅々までブランドの神髄を見せた。