2013年10月18日(金)、ファセッタズム(FACETASM)が2014年春夏コレクションを発表した。街でどう生活するかと考えた時に生まれたファセッタズムなりの「タウン感」。そして、女性が憧れる男性、男性が憧れる女性という気持ちを大事にする"EMPATHY"(感情移入)。これらがデザイナー、落合宏理が今季コレクションを作る上でのアイディアソースとなった。
メンズでは、提案したいアイテムとしてエプロンを挙げた。ワークスタイルに見られる男性特有のセクシーさを表現。レザーのウェストタイプに、ポケットが四方八方に配されたインディゴカラー、ウェスタン調の編み込みが効いたロングタイプ。個性の異なるモデルに合わせて、その種類も千差万別だ。
レディースに関しては立体感にこだわり、形で見せた。特に、フリルがそのための重要な役目を負っていたかのように思う。トップスの胸の中心、足元を飾るシューズのストラップ、腰から股にかけてスカートのスリットから覗くインナー。身体のあらゆる箇所に移動しながら、ひたすら動きや表情を与え続けた。スーツをアレンジしたようなピンストライプのパンツは、ウエストの真ん中がくりぬかれ、バックルがはめられている。こちらも、形として非常に新鮮味がある。ジャンクなバングルやネックレスは、伊勢丹のポップアップショップでコラボレーションしたクリエイティブ集団、マグマ(magma)によるものだ。
メンズに着せたスカートについての質問が飛んだ時。ウェアブルな服が好まれる昨今の傾向について聞かれた時。デザイナーの答えは、「好きなもの着ればいいじゃん、と思います」。こんな純粋な答えを述べられては記者たちも、もう何も突っ込めない。ジェンダーレスなテイストの流行や、コレクションのリアルクローズ化への動きも、「服が好きだから」と言い切る落合の、服へのまっすぐな気持ちや真剣な眼差しには敵わない。「男女のアイテムの境界線には興味はない。いろんな物に挑戦していきたい中で今の気分だったり、ブランドに合うものだったりを打ち出しているだけです」と自身の心境を語った。