企画展「日本の万国博覧会 1970-2005」が、東京の文化庁国立近現代建築資料館にて、2期にわたって開催。第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」は、2025年3月8日(土)から5月25日(日)まで、第2部「EXPO'75 以降 ひと・自然・環境へ」は、6月14日(土)から8月31日(日)まで。

日本の万国博覧会における建築

世界各国が参加し、自国の物品を展示する万国博覧会。企画展「日本の万国博覧会 1970-2005」は、万国博覧会が建築史において果たしてきた役割に光をあてつつ、日本で開催された5回の万国博覧会にまつわる資料を公開する展覧会だ。

万国博覧会と建築

万国博覧会の建築は、展示品を紹介する空間であるばかりでなく、近代建築の発展にも寄与してきた。これは、万国博覧会が国の威信をかけたイベントであるとともに、その建築が短期間のみ使用されるものであることから、さまざまな建築上の試みが可能であったためである。

たとえば、1851年ロンドンで開催された世界初の万国博覧会では、鉄骨造の外壁全体をガラスで覆った展示館「クリスタル・パレス(水晶宮)」が、鉄とガラスの時代の到来を告げることとなった。また、1889年のパリ万国博覧会に際して建造されたエッフェル塔は、当時最先端の鉄骨造建築であり、現在もなおパリを象徴する建造物となっている。

会期を2期にわけて万国博覧会の建築を紹介

日本では、1970年の大阪万博以来、2005年の日本国際博覧会 愛・地球博まで、5回の万国博覧会が開催されてきた。企画展「日本の万国博覧会 1970-2005」では、これら5回の万国博覧会の変遷と博覧会建築ならではの建築デザインを、2期にわたって紹介。国立近現代建築資料館が所蔵する約20万点の館蔵資料のなかから、万博建築のオリジナル図面をはじめ、日本の万国博覧会にまつわる資料を一挙公開する。

第1部：1970年大阪万博に着目

第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」では、日本で開催された5回の万国博覧会を概観。さらに、とりわけ1970年の大阪万博に着目し、丹下健三「基幹施設計画 大屋根・お祭り広場」、菊竹清訓「エキスポタワー」、前川國男「自動車館」や「鉄鋼館」、坂倉準三「電力館」など、代表的な施設の図面などを紹介する。

第2部：総合テーマの変化と建築

一方、第2部「EXPO'75 以降 ひと・自然・環境へ」では、大阪万博のほかの4つの博覧会にまつわる図面と資料を展示。また、1970年大阪万博では、技術を重視した総合テーマを掲げていたものの、以後、人間の居住、海や山などの自然、そして地球の環境への配慮へと、総合テーマが変化してきた。会場では、こうした総合テーマの変化に伴う、会場計画や建築デザインの変容についても光をあてる。

展覧会概要

企画展「日本の万国博覧会 1970-2005」
・第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」
会期：2025年3月8日(土)〜5月25日(日)
・第2部「EXPO'75 以降 ひと・自然・環境へ」
会期：2025年6月14日(土)〜8月31日(日)
会場：文化庁国立近現代建築資料館
住所：東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内
開館時間：10:00〜16:30
休館日：月曜日(5月5日(月・祝)、7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)は開館)、5月26日(月)〜6月13日(金)、7月22日(火)、8月12日(火)
観覧料：無料
※土・日曜日および祝日は、都立岩崎邸庭園からのみ入館。旧岩崎邸庭園の入園料(一般 400円 ほか)が必要

【問い合わせ先】
文化庁国立近現代建築資料館
TEL：03-3812-3401