ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が、2015年春夏コレクションをパリで発表した。会場となったのは、フランク・ゲーリー設計による現代アートの複合施設「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」。2014年10月末にオープンしたばかりの注目の場所だ。
「今日10月1日、ルイ・ヴィトンはここで、宇宙を旅する可能性を探求します」。ショー開始前、大きなスクリーンには若者たちの顔が映し出され、まるでデヴィッド・リンチ(David Lynch)の映画『DUNE』(1984年)を彷彿とさせるようなメッセージを呟き始める。その後、神秘的なBGM、未来的なライトアップとともに、ニコラ・ジェスキエールの三度目となるコレクションがスタートした。今季は50年代や70年代からヒントを得たクリエーションを披露する。
全体を通して登場したのは、編込み素材を用いたワードローブ。ハイネックのミニドレスはブレザーとコーディネートされたほか、トップスはレザースカートと合わせて提案された。首元からなびかせた光沢のあるリボンが、リュクスなアクセントになっている。
またカラフルなレザーも特筆すべきポイントだ。スカートやドレス、ノーカラージャケットに用いられたイールスキンは、艶とハリ感が印象的。ヴィヴィッドな色味によるストライプは、装いにモダンな遊び心をもたらした。
中盤から後半にかけては、抽象的な模様がコレクションを彩り始める。特に総スパンコールのアイテムが目立ち、トロンプルイユのようなデザインのジップアップのミニドレスが、グリーンやモノトーン、レッド系で展開。またベルベットのドレスやパンツには、色とりどりの壁紙のようなモチーフが描かれ、アンティークの美しさを思わせる。その他、バッグやビューラー、ドライヤー、車など日常的なアイテムがポップにプリントされたパンツやスカートといった、ユーモア溢れるデザインも装いに大胆に取り入れられた。
また今季の足元は、ショート丈のブーツが中心。遠目では分からないもののヒールがモノグラム・フラワー型になっているという個性のあるデザインだ。バッグは、クロコダイルのエナメルレザーや、トランクの内装からインスパイアされた“マルタージュ”、デニム風“エピ”のクラッチバッグが展開。ショルダーバッグは、スウェード、イールレザー、カーフスキンを贅沢にパッチワークして完成させた。
リュクスな素材をふんだんに用いながら、遊び心を織り交ぜたコレクションを見せた今季。モダンかつ逞しさのある女性像を彷彿させた。