ルール ロジェット(leur logette)の2019-20年秋冬コレクションのテーマは「"ポートレート(Portrait)" Timeless Story」。
デザイナー井本雅子の心をつかんだのは「ポートレート」。スマートフォンはおろか写真技術も発展していなかった時代に、婚礼などの節目や祝いの席で描かれた肖像画。絵描きが一筆一筆心を込めて作り上げた「ポートレート」の世界に引き込まれた井本は、絵画の世界にイマジネーションを膨らませて、ファッションを通して、芸術家たちとの新しい接点を見つけにいく。
“きっとこんな洋服を着て描いていたのでは…”そんなロマンティックなイメージから生まれた絵描き風ルックは、機能性に富んでいる。アウター類やシャツは、袖口にゴムが通されているので腕をスムーズにまくることができ、ポリエステルとキュプラの混合素材を使用したコートは、きゅっと袖をたくし上げてもシワになりにくい。
アウター類は、襟高であったり、袖口がバルーン型であったり、ボディがふわっと広がったラインを描いていたり…構築的で遊び心たっぷりのシルエットに仕立てられている。
画家たちの目に映った高貴な人々。彼らが身につけていた衣服から生まれたのは、フラワープリントのワンピースたち。ふわりと風にたなびく軽やかな素材には、筆のタッチを想起させる絵画風の花々を散りばめた。中には、2種類のフラワープリントを重ね合わせて立体的な表情を引き出したものもある。
フランスの老舗ファブリックメーカー「マリア・ケント」のツイードや老舗レースメーカー「ソフィーアレット」のレース、イタリア高級糸メーカーのカリアッジ社の糸など、こだわり抜いた素材で仕上げたアウター類には、カメオブローチ風のボタンをあしらって、さらに特別感をプラスした。
今季もフットウェアは、キッズ ラブ ゲイト(KIDS LOVE GAITE)とのコラボレーション。キルティング地に、一つひとつ手縫いでストーンを施したフラットシューズは、履き心地がよいのに“オシャレ”ができる逸品。ルール ロジェットのオリジナルソックスとのコンビネーションは抜群。今季は、シースルー地のバイカラーデザインや千鳥格子柄など、新デザインが3型ラインナップしている。