ルメール(LEMAIRE)の2022-23年秋冬コレクションが発表された。
舞台演出家のフィリップ・ケーヌが描いた架空の風景をバックに発表された今シーズン。雨上がりの空に太陽光が降り注ぐ詩的な情景を捉えたアートワークは、いつにも増して開放的な今季のピースを美しく際立たせる。
コレクションを構成するのは、テーラードジャケット、トレンチコート、シャツワンピースといったルメールらしいタイムレスなクラシカルウェア。通常であればフォーマルなムードを演出するアイテムにも関わらず、どこかリラクシングな空気を醸し出しているのは、生地をたっぷりと使用し、ビッグシルエットに仕上げているからであろう。アウター類はドロップショルダーで仕立てられ、パンツにはワイドなシルエットが採用された。
歩みに合わせて揺れ動くディテールも、今季らしい開放的なムードを加速させる。ワンピースには巻きスカートのようなキルティングを纏わせ、ロングスカートには大胆なプリーツを施した。また、ベルトに取り付けられたカーディガンの揺らめきも、コレクションに軽快なリズムをもたらしていく。
カラーは、ブラウン、ブルー、ブラック、グレーといった落ち着いたパレットを基調としつつ、時折はっとさせるほど鮮やかなレッドを織り交ぜた。真っ赤なシャツドレスには、同系色のレッグウェアとキルティングバッグを合わせ、ヴィヴィッドな色味を強調。赤と茶を混ぜたようなコートには、ブラックのパンツを差し込み、メリハリのあるスタイリングに仕上げた。
単色のピースが散見される中で、柄をのせたアイテムは特に目を引く。肩周りを強調したジャケットやラップスカートには、パープル×ブラウンのギンガムチェックをオン。スリット入りワンピースには、そのエフォートレスなシルエットとは裏腹に、サイケデリックなパターンをあしらった。