MSGM(エムエスジーエム)の2024年プレフォールウィメンズコレクションが発表された。
今季のMSGMのテーマは、「ミラノの街との絆」。ブランド発祥の地であるミラノに着想を得た今回のコレクションは、パワフルなカラーリングとパターンを基調に、創造性と革新性を内包する新たなミラノのエレガンスを漂わせている。
ミラノのエレガンスを体現するルックとして挙げられるのは、アニマルモチーフの総柄セットアップ。小道具として隣に鎮座する陶磁器製のダルメシアンは、プリントの着想源にもなっている。アーティスティックなエッセンスを取り入れることで、ミラノの街に息づくクリエイティビティを反映した。
ミラノの街とのつながりを示すアイテムとして、真っ赤な曲線がフロントに大きく描かれたブラックのマキシ丈のロングコートも該当するだろう。建築家のフランコ・アルビ二財団とのコラボレーションアイテムであり、ミラノ地下鉄M1線の手すりを模倣したデザインがベースとなっている。
また、エネルギッシュなミラノの様子を連想させるような、生き生きとしたモチーフにも注目だ。ふくらみのあるシルエットのマキシ丈のスカートは、遊び心あるイチゴ柄プリントに彩られている。トップスに短丈のウールジャケットとストライプシャツを仕込むことで、抜け感のあるフェミニンな印象を演出した。
遊び心あるプリントは、ヴィンテージステッカー風の犬と猫をあしらったトップスにも当てはまるだろう。コンパクトなカットソーに愛らしい表情の犬や猫を散りばめるようにレイアウトし、ポップなムードを描き出した。こうしたプレイフルなプリントアイテムからは、ミラノの活気と遊び心に満ちた美学を感じとることができる。
素材は、レースやツイード、スパンコールなど多種多様な素材がある一方で、肉厚なエコレザーのアイテムも見られた。ストーンウォッシュ加工を施したエコレザーは、素材単体としては重厚感があるが、タイトで短めなフォルムに仕上げることで柔軟なメリハリの効いたデザインとなっている。ブランドで親しみのある素材だけでなく新たな素材を用いることで、創造性に富み、革新が続く地としての新たなミラノを表現しているのだ。