ニードルズ(NEEDLES)は、2025-26年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションを発表した。
今シーズンのイメージソースは、東京の渋谷、原宿、青山の3地点を結ぶトライアングル。多様な人々やカルチャーの集まる街の風景とマッチするような、ポップさと遊び心、親しみやすさを兼ね備えたウェアが登場する。
特に、刺繍やプリント、装飾といったディテールによって、プレイフルな雰囲気を描き出しているのが特徴的だ。たとえば細畝コーデュロイのジャケットにはスタッズを並べ、背面にはハートのピースマークやシンボルの蝶モチーフをダイナミックにレイアウトした。また、バーシティジャケットには“TRASH”の文字とともに、“Triangle of Aoyama Shibuya Harajuku"の文字をレッドの刺繍であしらい、キャッチーな要素をプラスしている。
ロッキーマウンテンフェザーベッド(Rocky Mountain Featherbed)とコラボレーションしたダウンジャケットには、丹頂鶴が飛び立つ風景のプリントをパネルで配置。アメリカ発のダウンジャケットに和風のグラフィックをあえてかけ合わせた意外性のある組み合わせは、多彩な文化が交差する渋谷・原宿・青山の風景と相通じるものがある。
さらに、オレンジ、ブルー、グリーン、ベージュの配色に空飛ぶ鳥を描いたシャツワンピースや蝶の絵柄が浮かぶジャカードのジャケット、タイル状に蝶のモチーフを並べたボアジャケット、ローズプリントのデニムパンツなど、心躍るような柄のウェアも勢揃い。宝箱の中に様々なものがひしめき合っているかのような、多彩なテキスタイルがオリジナリティあふれるワードローブを形作っている。
また、ウォーミングな表情のウェアも散見された。リバイバルで登場する「アンイーブン・ダイ」のウールセットアップは、ムラ染めならではの独特な風合いが魅力。温かみのあるカーキの色味に、ゴールドカラーで施された華やかなエンブレムや金ボタンが映える。加えて、赤チェック柄のウールセットアップや、デニムジャケットの下に重ねたモヘアニットベスト、フリンジを配したコーデュロイのウエスタンシャツ、艶やかなベロアで仕立てたトラックスーツもまた、装いにあたたかく華やかな彩りをもたらしている。
羽織りジャケットや袴パンツに採用されたプレイドチェックのウール地は、濃淡をつけた染めが目を引く。ブラウン、オレンジ、カーキを行き来する色のグラデーションは、夕暮れ時に差し込む光のように穏やかだ。また、がさがさとした粗野なテクスチャーに仕上げたワークジャケットやペインターパンツには、深みのある柿渋染めが施されている。
ゆとりを持たせたシルエットのアイテムを点在させることで、程よく肩の力が抜けた佇まいに。光沢を備えたモアレ生地のチャイナシャツやワイドパンツは、生地の落ち感を生かし、分量を持たせることでエレガントなドレープを生み出しているのが印象的だ。
トラッドなウールツイードのジャケットには、タックでボリュームを持たせた同素材のカーゴパンツを合わせて抜け感を加えた。この他、ヘリンボーンのスカートや、アルパカシャギーのチェック柄バルーンスカート、サテンのペインターパンツなど、空気をふわりと含むような分量感のボトムスもまた、親しみやすくリラクシングな雰囲気を後押ししている。