3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)の2015-16年秋冬メンズコレクション。クライマーや冒険家のダイナミック且つ機能的なウェアからインスピレーションを得て、機能性とユーティリティの新たな見解に向けて挑戦したシーズンとなった。
カジュアルな洋服を、シックでクラシックな装いに仕上げた3.1 フィリップ リム。登山用具であるロープを、デザインに落とし込んだアイテムも多く登場した。登山の際に良く用いられる、エイトノットのようなロープの刺繍を両胸にランダムに配置。光沢のあるブルゾンの生地と、ニット刺繍のような柔らかな風合いが程よくマッチしている。
ブルーとオレンジでポップに描かれた惑星や山が特徴的なルックは、火星への夢から着想を得たもの。“Climb JUPITER”という文字の通り、登山家の思いが地球を超え、宇宙まで広がりを魅せたのかもしれない。
「ストリート・クール」を演出すべく、コートのボタンを隠しすっきりと。アウターは、ナイロンとニットの組み合わせで、機能性をキープしながら、素材の長所を活かし合っている。
全体を通して散見される、ノースリーブのアウターを纏ったルック。リュックを背負っているコーディネートや、ノースリーブ自体にリュックの肩紐のデザインを落とし込んだものまで。テーマをあらゆる角度から捉えていることが窺える。
ショーの後半にかけて多数登場するのが、ロープを編みネットのようにしたガーメンツを採用したルック。ブルゾンのしたに、カットソーのような役割でインされているものから、プレーンなニットとナイロンのアウターの上に同色のネットを乗せ、チェック柄を彷彿とさせるように着こなしたものまで、様々展開されている。
また、アクセサリー類も充実のラインナップ。ロープのモチーフがアクセントとなったブリーフケースやバックパック、レース遣いがテーマを色濃く反映するブーツなど、幅広くも一貫性をもったワードローブが並んだ。