ロシャス(ROCHAS)が2015-16年秋冬コレクションを2015年3月4日、パリ・ファッション・ウィークで発表した。
胸元のデザインが特徴的な、ブラウンのビスチェ風トップスと、同色のミモレ丈のスカートを合わせたルックでショーはスタートした。その足元は、ストラップのヒールシューズ。と、モデルが目の前を通り過ぎた時、ヒールのかかと部分一面にある、とげとげしくもきらびやかな、ビジューの装飾が目に入る。まるでそこに水晶がつくられていたかのような、立体的で、贅沢なほどに密な装飾。今シーズンは、こうしたビジューの装飾が、なんとすべてのシューズに施してあった。コレクションのキーと言うべきアイテムだろう。
ショーは、ブラウンにはじまり、やや赤みのあるイエロー、そしてオリーブへとカラーが推移していった。時折ファーやオーガンザ素材が採用され、その軽さと重さ、薄さと厚さといった強弱は、観客の目を楽しませる。
するとここで、もうひとつのキーとなるデザインが登場した。それは鳥のモチーフ。実は鳥のモチーフは、前回の2015年春夏コレクションでも使われていたが、今回はより抽象的に、シルエットを映し出したようなデザインとなっている。
はじめはボウタイを合わせたトップスに落とし込まれた鳥たち。その後は、ファーのポケットがポイントになったドレスや、全身オーガンザの軽やかなドレス、そして最後に現れたライトブルーのロングコートと、アイテムを変えながら、大胆に落とし込まれていく。そんなモチーフは、シンプルでラグジュアリーなアイテムに、軽やかで自由なイメージを与えていった。