2015年3月19日(木)、KBF(ケービーエフ)の2015-16年秋冬コレクションが東京・渋谷ヒカリエで発表された。
フォトグラファーであるジャッキー・ニッカーソンが2002年に発表した写真集『Farm』をインスピレーションの源に、今シーズンのテーマを”journey“と設定。このテーマは、自分が旅に出るのではなく、旅に出ることに思いを馳せ、想像するということに焦点を当てたものだ。
カラーパレットは、モスグリーン、ボルドーといった落ち着いた色味や、ブルー、イエローなどの原色が中心。それらのカラーを、グレーやベージュに組み合わせるのもさることながら、同色のアイテムを異素材でミックスするルックも登場し、バリエーション豊かなコレクションが展開された。
テキスタイルは、厚手なものから薄手のものまでさまざま。あごまでかかるようなハイネックに、立体感がでるようにフェザーを編み込んだニットを使用したり、スカートに、ウィンドブレーカーに用いられるような堅いナイロン素材を用いたりと、意外なファブリックで女性らしいアイテムを生み出した。
特に目立ったのは、キルティングを使用したアイテム。大ぶりなトップスに、ワイドパンツを合わせたルックや、コートの袖を横から腰に巻き、アシンメトリーなシルエットをしたコーディネートなど、キルティングのふくらみを巧みに利用したフォルムが登場した。
アウターで一際目を惹いたのが、リラックスムードのチェスターコート。ただ単に大きいものを着るのではなく、コート自体にも工夫が。身頃が袖の部分に伸びて肩の下辺りで縫合されており、オーバーサイズ特有の野暮ったさや重々しさが解消されたクリーンな装いが提案されていた。
会場の明かりが落ち、コレクションの終了かと思った矢先、オレンジ色のライトが灯ると同時に現れたのは、ホワイトのマキシワンピースを着用した、たくさんのモデルたち。柔らかな生地感で体の曲線に寄り添ったカッティングは圧巻。今シーズンを象徴するタートルネックが用いられたデザインは、フィナーレを飾るにふさわしいものだった。