2011年9月27日、パリファッションウィークにてアガノヴィッチ(AGANOVICH)が2012年春夏コレクションを発表した。
今季のアガノヴィッチのコレクションは、20世紀を代表する画家、フランシス・ベーコンの作品と、建築物が破壊されて今や無人地帯となってしまった香港の九龍城砦がインスピレーション源。これらの共通点である、混乱の末生みだされた純粋なスタイルや美しさに注目した。 会場の真ん中に置かれた椅子に、スーツ姿の男性と絵具だらけのオーバーオールを来てピエロメイクを施された男性が座って話を始め、ショーがスタート。続いて現れたモデル達は、サークル状に設置された鏡の周りを歩き、時々立ち止まって鏡に向かってポーズをとる。まるで演劇のようなユニークな演出が印象的だ。
ベーコンの作品をイメージしたというカラーパレットは、ブラック、ホワイト、レッドやモスグリーンがメイン。異なる色や素材のアイテムを組み合わせて生まれる色の効果を楽しんだり、ベーシックなシャツが切り抜かれ、幾何学的なパターンのドレスを重ねたり、アガノヴィッチならではの実験的で斬新なデザインが登場した。アンバランスなほど大きなベレー帽がアクセントになって、アーティスティックなスタイルをドラマティックに見せていた。